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『赴任前に一読!中国人との関係を深めるためのビジネスマナーとは。』


 「入乡随俗」郷に入れば郷に従えという成語が日本と中国の両国にありますが、中国の方が日本に来てビジネスをする場合も、私たち日本人が中国に行ってビジネスをする場合も、常に相手を尊重した態度で、相手に心地よい親しみの感情を持ってもらうことがビジネスの成功につながります。そのために、相手の文化習慣は最低限の知識として持っておくことが大切です。

中国風!?中国の人に良い
印象をもってもらえる挨拶の仕方。


 現地に向かい、現地の取引先の社長さんと商談することになったとします。まずはじめの挨拶は、ご存知の通り「你好」(NI3 HAO3)ですが、

「你」の敬称である「您」を使って「您好」(NIN3 HAO3)とニンを強調してみると、相手のポイントがぐっと上がるかもしれません。「この日本人は中国語の使い方をよく知っているな」と。


 また一度ではなく「您好、您好」と連呼するとより中国的な感じがして良いかもしれません。挨拶をしながら、握手を求めるとさらに中国通です。これが中国人同士がよくやっている挨拶です。

相手の呼び方が分からない、どうやって呼ぶのが一番良い?


 社長を呼ぶ時は、苗字に老板や总经理という役職をつけて呼ぶのが一般的です。たとえば、お名前が張さんでしたら、「张老板」「 张总」という風に呼びます。

日本語の「さん」にあたる「先生」を使って「张先生」と呼ぶより、ビジネスで知り合ったお相手でしたら、きちんと役職名をつけて呼ぶ方が、相手を敬っているという表示になり印象が良くなります。

関係者がどのように相手を呼んでいるか確認してから、
同じように呼ぶのが無難でしょう。


 常に相手を意識している、親しみを持っているということを表現するためにも、会話の中で何度も名前を呼んでみるのも、相手との距離を縮めて親しくなる一歩かもしれません。

中国の人も日本のビジネスマナーを学んでいます。
 日本企業と取引経験があり、日本語には精通していないけど日本の風習文化を少しかじっているという中国の女の子と仕事をしたことがあります。

彼女は皆の苗字の後ろに「ヤン」をつけて呼んでいました。張さんのことをジャンヤンとか、金子さんのことをジンズヤンとか。


 いったいヤンとは何を意味しているのだろうと思っていると、メールに「张样」「金子样」と記載していたので、日本語の敬称「様」を取り入れていることが分かりました。

現地に行ってから、身を以て学ぶビジネスマナーこそ本物です。


 日本語の敬称である「様」は、ビジネスでは書式では使いますが、実際に呼ぶときにはあまり使用しませんし、多用すると不自然な感じを受けます。
 言語というものは、やはり現地に行ってからこそ、やっと正しい使い方が習得できるものなのだと思います。

しかしヤンを愛用している中国の女の子は、とてもかわいいなと微笑ましく思いました。もちろん正式な日本のビジネスマナーを学んで、日本の市場に乗り込んでいる優秀な中国のビジネスマンはたくさんいます。

中国といえばメンツ、たしかに中国ではメンツを重んじることは大切。
 中国のビジネスマナーときけば、日本の多くの中国経験者が「留面子」を強調するでしょう。

おそらく中国語学習者のみなさんでしたら、この言葉を聞いたことがあるでしょう。たしかに中国人と話していても、「中国人はメンツを大切にしてますよ」と、自分たちも強調しているくらい最重要事項です。

メンツを重んじるとは!?具体的に心がけたいこと。


 どのような場面において、とくにメンツを重視を心がけたら良いのでしょうか。たとえば中国人部下がいる場合、おそらく様々な点で違和感を感じることがあるかもしれません。突然私用の電話をかけて大声で話し始めるとか。

突然きゅうりを取り出して食べ始めるとか。 多くの中国のオフィスでは、きゅうりやトマト、とうもろこしはスナック感覚で仕事中に食べるのは問題ないようです。

中国の文化を尊重して見逃すのも方法だとは思います。
 注意して改善を求めようと思った場合、ほかの人たちが大勢いる前で、注意することは絶対にやめてください。他人の前で自分の失敗を指摘されることを極端に嫌います。

注意するときには、日本のオフィスでは食べる習慣がないこと、日本企業ではマナー違反になることなど、事情を丁寧に説明して、また個別に行ったほうが、相手に反感を持たれずに改善をしてもらえる可能性が高くなります。

メンツを守って、良い関係を長期的に築きたいものです。
 中国の人はご馳走をするのが大好きです。食事に誘われて楽しく会食をし、最後の支払いの段階では招待してくれた人が支払います。そこを無理強いしてこちらが支払うのは、相手に支払う能力がないと見下しているとされます。

 ここでもメンツを重んじて相手が支払おうする場合は、素直に感謝してご馳走になっておくと良いでしょう。次回こちらから招待してご馳走すれば、長期的な良い関係が築けます。

中国人のメンツにかけて、食事どきには食事を優先しています。
 中国人の挨拶はニーハオだけではありません。「吃饭了吗?」「吃饭了没有?」と食事どきになると、食事を済ませたかどうかをきくことも、挨拶のひとつです。


 相手に関心を持っていますよという意思表示の一つでもあるのですが、中国の人は日本の人より食事というものを非常に重視しているように感じます。

日本では会議が長引いて食事時間が後ろ倒しになったり、食事を取らずに残業を優先したりしますが、中国人同士では食事時間がきたら必ず食事を優先します。

 日本のビジネス文化をしっている中国の人の中には、日本人と仕事をするときには仕事を優先してくれる人もいますが、私は中国の人と現地で一緒に仕事をするときには食事を優先し、お昼時間がきたらまず昼食を取ってから、その後一緒に業務に取り組むようにしています。それが中国の人のメンツを尊重していることにつながると感じています。

相手のメンツを重んじても、自分のメンツを捨てたほうが良いときとは。
 語学を学ぶ上で一番の障害になるのは、羞恥心ではないでしょうか。間違った中国語をしゃべるとだれかに笑われて、メンツが丸つぶれだよと恥ずかしがって黙っていたら中国語は身につきません。

学んだものを積極的に使わなければ一向に進歩しません。語学は机上でのインプットももちろん大切ですが、アウトプットしていく上で新たな気づきを得たり、他者から正しい使い方を教えてもらったりと思わぬインプットが大きな進歩になるのです。

中国語学習で一番の障害は自分のメンツに固執しすぎること。
 中国に赴任したら相手のメンツは重んじても、自分の一時的な羞恥心によるメンツは捨てましょう。日本語に「旅の恥はかき捨て」という諺がありますが、「語学学習の恥はかき捨て」だと心得ておくことです。上達したら分かりますが、皆、ミスを重ねながら言語を学んでいるのです。一時的で短期的なメンツを守るより、中国語ができるという人材になるために長期的なメンツを守ることを選んだほうが賢明です。

 日本人はお辞儀をよくします。中国の人に、どうして日本人はいつもペコペコ頭を下げているの?とよく聞かれます。たしかに客観視してみると、日本人は本当によく頭を下げています。それが日本に根付いた風習文化なので、変えようと思っても変えることが難しいです。


 中国に赴任すると、違和感を感じる中国の風習や文化があるかもしれません。が、反感を持たずに、まずは丸ごと受け入れてみてください。その上で新たな発見や気づきがあるかもしれません。中国では最初の挨拶でも、別れ際の挨拶でも握手をし、しつこいくらい「再见」を連呼するかもしれません。それが中国の熱烈歓迎の一つの表現であり、中国人の温かさだといつか気がつくかもしれません。


 お互いが出会って、一緒に仕事をしてよかったと「双赢关系」(win-winの関係)が築けることを願っています。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

Lilian中国語スクール

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