自分だけの文を書きたい
仕事で文章を書いている。会社のWebサイトや、SNSに載せる文章、上司やリーダーが発信するメッセージなどを書いている。
私は文章を書くことが小さい頃から大好きだった。読書感想文も、作文も好きだったし、大学で論文を書くことも好きだった。こんなことを感じたんだ、考えたんだ、と文章で人に伝えたかった。英文を翻訳することも好きだった。この人は何を言いたいんだろうと、よくよく考えて読み解いて、こんなことが書いてあるよと日本語で伝えたかった。
なのに、今、仕事で文章を書くことは大変につらい。会社のために、伝わる文章を書かなくてはと考えることがつらい。何とか書き上げたところで、社内のチェックで複数の人が手を加えて、文章の性格が全く変わってしまうのを受け入れるのがつらい。
そういう仕事なんだから、私の表現ではなくて会社の発行物なんだから、仕方がないことはわかっている。結果、良いものができたことだってたくさんある。
それでも、個人としては関心の薄いことやおかしいなと思うことも、そうかそうかと勉強して、それらしい素材を集めて前向きに発信しなくてはならないことや、言いたいことをそのまま発言することを否定され続けるようなプロセスには、だんだんと気が滅入ってきてしまう。文章書くのやだな、と思ってしまう。
あんなに好きだったのに!
就職してから、この大好きな気持ちを、少しずつ少しずつ削ってきてしまった。そして、長い間取り戻そうとしてこなかった。
私は文章を書くのが好きな自分のことがとても好きだったから、自分を好きな気持ちも、一緒に削がれてしまったんじゃないか。それがつらいんじゃないか。
だから、自分の、自分だけの文章を書くことにした。自分の言葉で書いて、文章を書くのが大好きな気持ちだけでいられる時間を作りたい。自分を好きな気持ちも、一緒に取り戻したい。
note があって良かったな。ここでは自由に、書いていいんだな。