臨書シリーズ 藤原行成『白氏詩巻』より、の巻
先日来、かな文字のような優美な曲線・連綿・リズムを身につけたいと、日本の古筆の臨書を続けております。
今回は、藤原行成。
『藤原行成集』より『白氏詩巻』の冒頭から始めました。
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書いて驚いたのは、藤原行成のこの線は、だいぶスピードをあげなければ出てこないということ。
先に臨書した近衛信伊に比べると、だいぶ速い。
近衛信伊が近代~現代のアートに近い感覚で書いていたのだとすれば、行成はもう少し現実的かつ事務的な感覚で書いていたのかな、とふと思いました。
なんとなれば近衛信伊は芸術(当時は和歌や書画)に耽溺する期間がそれなりにあってアーティストとしての才を求められることも多々あったけれど、行成はアーティストというよりは「字の綺麗な事務方」的な側面が強く出ていた人だったような気がするから。
行成は、公家が書画や和歌だけで生きていけるほど文化が爛熟する前の人ですものね。貴族のたしなみ・てすさびの延長にあったのではないかと推察します。
それでも、平安の三蹟と呼ばれる人なのですが。
「好」から「共」につながる連綿線の美しさと優美さに、かな文字にもつながる和様書道の美しさを見た気がしました。
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