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ゆるゆると書作、の巻

今月は、日頃の練習よりも、来年1月の作品展用の作品制作中心のお稽古です。
ちなみにこの「日頃の練習」は「自宅でやりなさいよ」の言い換えなんだなと、密かに思います。

ここ数年、私は様々な書体(字体)を混ぜて漢詩を書くという作品にトライしています。
楷書と行書を混ぜると「楷行体」。
行書と草書を混ぜると「行草体」。
ちゃんと言葉があって、特にこの「行草体」は名筆と呼ばれる古筆には必ず登場しています。
私はその楷・行・草書に加えて隷書、金文、象形文字も入れて、漢詩の雰囲気を絵画的に再構築しようと試みているわけですね。

パソコンのWordやExcelには様々なフォントがあります。
私の作品は、例えば、MS明朝、ゴシック、Times New Romanを混ぜて使っている、という感じでしょうか。

まだ出来上がってないので一部です
崩し方は自分で考えます
どの文字をどの書体で書くかも自分で考えます

このスタイルに取り組んでから、それぞれの漢字のすべての書体を書き出す、自分用の創作メモを作るようになりました。
言ってみればデッサン帖ですね。
デッサン帖を作りながら思い出すのは、橘逸勢の書です。
橘逸勢は、人が思いつかないような行書体の崩し方をします。
どれも奇抜ながら優雅。
あれは、漢字の本質を知り抜いた人でなければ書けない書体です。

随分前に書いた橘逸勢の臨書
伊都内親王願文より
側聞惟
父惟母
お手本はこちら
「聞」も「母」も
なんじゃこりゃ?な崩し方
だがそれがいい…

書の作品にする時の字の崩し方は、自由度が高いです。
それを使って絵画的な美しさを表現したのが、日本におけるかな文字の作品で、特に変体仮名を使うことで見映えやイメージの広がりがもたらされています。

書の作品は自由です。
どんな書き方をしてもいい。
けれどそこにはやはり、デッサン力が必要なんだよなぁ…と、書きながらつくづく思う次第です。
なんだって、基礎が大切。

作品は多分もうすぐ出来上がりますが、表装してから改めて公開しますね。

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