息子の空耳アワー
♪ まーす まーす マスカット ずんずん畑の ずんずん畑の
4歳の息子がゴキゲンで歌っている。
「なんのうた?」「保育園で歌っとるの。クレヨンしんちゃんのうたや」
そんな歌、私は聞いたことがなかったので、YouTubeで調べてみる。世の中便利になったものだ。
とりあえず、1番目を聞いてみたがどこにも「まーす まーす」なんて間抜けな響きは出てこない。「ますかーっと」という歌詞はあったが、伸ばすところが違うじゃないか。「ずんずん畑」なんてのも、もちろんない。
「ほんとにこの歌?」「そうや、これや」
「でも、まーす まーす なんて歌ってないじゃん」「うたっとったよ!」
息子のことだから自分で作詞作曲しちゃったのだろう、と思った。
*
先日、義父が保育園にお迎えに行った時の話だ。
先生がふたりして近づいてきたので、「あ、なんかまたやらかしたかな」と思ったらしい。(おもらししたとか、物を投げたから厳しく注意したとか。前科あり)
ところが予想に反して、「ケン君、英会話ならってるんですね!」と言われたのだそうだ。「”パプリカ”を英語で歌ってたんですよ。びっくりして、もう一回歌って!ってお願いしたんだけど、恥ずかしがって歌ってくれませんでした」
え。英会話はならってませんよ。英会話教室の体験は色々してみたのだが、「さぁ、一緒に発音してみよう!」と先生に言われると、「いやっ!」と拒否するので、教室は無理かなと思っている。
ただ、英語耳は養ってほしいと思い、たまに英語の歌を流してはいる。とはいえ、息子の「パプリカ」は英語ではない。
♪ ぱぷりーか ふぇなしゃなしゅーりーんちゅー しゅなちゅなふぇらりん しゅちゅらりら
みたいな。完全に自分で作詞している。だから、「英語でうたっててすごい!」なんて先生に言われてもなんだか恥ずかしかった。
*
ところが、だ。
今回、これらの出来事をnoteに書こうと思って再度「マスカット」を聞いてみた。
すると、どうだろう。
中盤のところで出てきたのだ、「まーす まーす マスカット」が!ゆずも歌ってるじゃん!間の抜けた響きなんて言ってごめんなさい。
さすがに「ずんずん畑」はなかったが、ここはちょっとラップ調(?)になっているので、息子にはそう聞こえたのだろう。メロディーは息子が歌っていた通りだったし。
え、ちょっとまって。「パプリカ」も聞いてみる。
♪ Paprika, when our flowers start to bloom
「ふぇなしゃな」って「when」あたりのことかな。完全にデタラメだと思っていたが、あながち間違っていなかったのか。
ごめん、息子よ。ちゃんと歌っていたんだね。お母さんが早とちりなばっかりに、濡れ衣を着せてしまった。保育園から帰ってきたら、もう一度「マスカット」を一緒に聞こう。この部分を歌ってたんだね、と確認しよう。
「パプリカ」についてはフォローしなくてもいいだろう。ただ、息子の英語耳はちょっと育ってきているのかもしれない。英語を発音するのは嫌がるが、歌をうたうのは好きみたいだから、今後も続けていこうと思う。