先生のいる学校と、スタッフのいるサドベリースクール
先生とはどんな人だろうか?
学校の先生、政治家、医者、弁護士、さらには漫画家の先生もいる。この中で共通しているのは、何かを決定する権限を持ち、その権限を実行できる力を持っていることだ。私たち親や教師は、子どもに対して「あなたのためを思って」という言葉を使い、時には叱ることがある。子どもにとって私たちは最大級の権力者なのだ。
わが家の長男は、言われたことに対して素直に行動するタイプではなく、「なんで?」と説明を求めることが多い。そして説明をしても、自分が納得出来なければ行動に移すことはしない、意思を強く持てるタイプである。対して次男はあまり説明を求めるタイプではなく、大人からは一見「やりやすい(いい子)」と思われるかもしれない。しかし、必ずしも納得しているわけではなく、断りたいのに断れない、強く主張出来ない性格であるため、我慢していることも往々にしてあるのだ。
子どもたちは、朝の起床時間から遊び時間まで、大人の決めたスケジュールに従う日々を送っている。学校のルールも、子どもたちと大人が話し合って決めたものではなく、クラスの担任ごとに異なることが多い。過度な管理が子どもたちにとって重荷になっているのではないだろうか。
私自身の記憶にもある『反抗期』は、管理されすぎている状況に、反発できる力がついたとも考えられる。日本の公共教育による学力は高い水準を保っているが、『やりやすい、いい子』が評価される学校教育で、果たして心は成長できていたのか、振り返っても自信はあまりない。
サドベリー教育では、自由と民主主義を軸とした理念のもと、子ども自身が自分で学びを選び育てていく。時間割も親も先生もおらず、ただ子どもをサポートするスタッフがいるだけだ。最初は「こんなことで大丈夫?」と不安に思ったし、実際目の当たりにすると、「子どもたちが野に放たれている」といった感覚が伺えるだろう。しかし、子ども自身を信頼することで責任感が芽生え、自分で考え、行動し、彼らは将来について真剣に向き合っているように見える。
自分は今日何をしたいのか、トラブル時はどう対処するのか、全て自分事として向き合い、進めていく。
息子よ、今日もいってらっしゃい!
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