スモールビジネスのデメリット
正直言うと、じっくり考えてみましたが、デメリットらしいデメリットは見当たりません。あえて言うなら
総じて根気が問われる
ということに尽きるのかなと。
具体的には
・立ち上げ時
・軌道に乗せるまで
・軌道の乗せた後
で分割してみるとわかりやすいです。
立ち上げ時:何もしていない人よりも実働が多くなる
スモールサイズだろうが起業をするわけで、これは当たり前と言えば当たり前です。
あなたの周囲の何もしていない人が、デートや買い物、遊びに興じている間にあなたはせっせかせっせかと計画を練り、アクションを起こし、改善をし、時には方向転換をします。睡眠時間を削る時もあるでしょう。
退職してから起業することを私はお勧めしません。そうなると当然のことながらマルチタスク型で物事を進めていかないといけないので、実働は多くなります。
軌道に乗せるまで:収益が伴わないことが普通にある
「軌道に乗せるまで」と書きましたが、これは「あなたの決めた事業でメシが食えるようになるまで」という意味です。
これが好きだ!このニーズは絶対にある!!と思っても、ビジネスにならなければ話になりません。消費・浪費型の趣味ではなく、投資(金融投資という意味ではありません)型のビジネスにしないといけないわけです。
立ち上げ以降、PDCAを回しながら進むべき事業が今の事業ではないと思った時は方向転換を必要とします。
「俺のできることはこれしかないんだ!」と心配されるかもしれませんが、あなたができること・やりたいことの角度を変えれば新たな商材やサービス・プロダクトに変えることができます。
例えると、営業畑一筋だった人が「営業代行サービスをやるんだ!」と思い、始めたもののうまくいかなかった場合、「営業コンサル」に事業を変えればまた可能性が生まれる、というイメージです。
ゼロをイチにすることは、いわばクリエイティブなこと。
当然時間はかかります。つまりコストがかかるわけです。
芸術でメシが食える人が決して多くないことはご存知のはずです。
収益が伴わないことは軌道に乗るまで当たり前です。
(私が身を置いた小売業という事業は、3年がその基準といわれています)
改善や方向転換を進めるうちに、
「あれ?これ、このまま拡大させることができればメシ食えるんじゃね?!」そう思った時、それは収益が伴うことをあなたが自覚したその時です。
その事業に決めて、あとは拡大させるフェーズに入れば良いのです。
軌道の乗せた後:継続的な学びが必要
収益化の目処が立ったとしても、あなたは継続的な学びが必要です。
周囲の社長さんや事業者を見ていてもそう思いませんか?常に改善策や新規事業に取り組み、税務・法務・ファイナンス・人事労務などの強化に努めています。もちろんアウトソースする人も沢山いるでしょう。
経営はゴーイングコンサーン。
継続することが正義なのです。
社会情勢や経済状況、人口動態などで顧客が変わることもあります。または競合が発生することもあるでしょう。
そうした外部環境の変化に加え、自社であるあなたのライフステージの変化によって内部環境が変わることも十分あります。
私のように、突然大きな病になってしまうこともあるわけです。
継続的な学びとともに、あらゆる備えを未来に対して行わなくてはいけません。ただし、それができるようになっていると、もはやあなたは立派なスモールビジネスの経営者になっていることでしょう。
選択肢の数も増えているだろうし、依存することなく自分自身と相談して未来を決めて進んでいるでしょう。
番外編:家族やパートナーからの理解を得にくい
これは確実にあります。
実家が商売をしている人がパートやーや家族であっても、理解があるとは言えません。実際私は2度結婚に失敗していますが、ご実家はそれぞれ商売をされている方でした。
「投資」と私は常に言っていますが、投資とは未来に向けた備えの活動です。時間や労力、実際のお金を割いて備えをするわけですが、目に見えてお金が増えている状況や、何らかの「成功」と感じられる具体的何対価を感じられる状況にないと、基本的には「わたしとあなた」や「あなたの処分所得とわたしたちの可処分所得」など、すべてトレードオフになるので、「あなたの失敗や浪費に、本来わたしの果実が奪われている」と感じてしまうのですね。
投資と浪費の見極めができる人も、実際そういう視点で動いてこなかった人には判断が困難でしょう。「給与でもらったものを守らなくては!」という自己防衛反応が、あなたに反対するというアレルギー反応に出てしまうのです。
リスクに対する耐性度も非常に低いと思います。お子さんができればなおのこと。「今後ますますの出費が出るんだから!」となります。私は理解に苦しみますが、何十年というローンを組んで家を買うということはできる人が多いのに、です。
とこのように主に私の実践経験を通した私見にはなりますが、メリットと比較するとマトリクス表に表すまでもなく、デメリットよりメリットが多いと判断されます。
ただし、軌道に乗るまでの間はどうしても雇われて他者の歯車になることの方がラクなので、スモールビジネス経営者ではなく目先の収益を追おうとすると副業にとどまる方も多くなるのではないかと感じます。
だからこそなのですが、やっぱり定年退職の垣根を超えて働きたいと思う選択肢であるスモールビジネスは、自分の本当に好きなビジネスでなければならないという結論に帰着します。
ということで、また今度。