助けて、と伝えられること
「受援力」という言葉
養護教諭として働く者なら、必ずと言っていいほどお世話になる専門誌「健」。その特集の一つに「受援力」を取り上げたものがありました。
この「受援力」、簡単に言えば「人に頼る力」。
災害時のボランティアを受け入れるためのキーワードとして用いられたことが始まりなのだそうです。
精神保健の領域でいうと、「援助希求行動」とも呼ばれます。
そして、私が特にその記事の中で衝撃をうけたのが、
「受援力測定チェックリスト」の中の
「人に相談するのは相手への信頼や尊敬を表すことだと思う」という項目。
20数年間の常識が覆されました。
ただ、思い返してみれば納得の行く話で、
自分が相談されたとき、嬉しくなったり、その人のことがちょっと好きになったりします。
逆に自分が相談するときは、「この人ならいい返答をくれそう」「このことに長けているからな」と考えて相談をします。
…これは、相談相手への信頼や尊敬の現れなのか。
あまりにも「相談する=迷惑になる」の考えが染みつきすぎて、そんな風に思ったこともありませんでした。
それ以外にも、「相談する=自分ができなかった、力足らずだった」という意識につながってしまうため、「相談する」のハードルをさらに高く感じていました。
「相談する=相手への信頼、尊敬」という考え方もあれば、一方で「相談する=よくないこと」という考え方もある。
これだけ前提の認識が違うなら、人と関わるときの心のエネルギー消費も全然違うよな…と思いました。
抜群の受援力
私がこれまで出会った中で、抜群の受援力の高さだな思う方がいます。
その方が周りに頼るときは、同時に、頼る相手に自然とエネルギーを与えている。そう感じるように、受援力がずば抜けています。
私も、そんな人でありたい…
ちなみに、「頼む」と「頼る」の違いを抑えておくことが受援力の高さに繋がるそうです。
「頼む」はあくまで「(物事を)頼む」
「頼る」であれば「(〇〇さんを)頼る」といったように、相手を慮った行動になります。
…ということは、「相手を知る」ことがまず必要なんですね。
私は仲良くなった相手であれば、信頼して
助けを求めることができる方です。ただ、それまでの道のりが長い……
もっともっと気軽に「頼る」ことができるようになりたいな、と思いました。