【読書】松浦正浩「おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門」
「おとしどころの見つけ方」という本を読んだ。小説仕立てで分かりやすい。また、抑えておくべき基本ポイントを繰り返し説明してくれるので、せめてそこだけは覚えておこうという気持ちになる。読むに値する1冊だと思った。
ポイントの1つは、代替の選択肢を用意しておくことと、それを交渉相手には教えないことである。引越し業者を選択するときは決め打ちで1つの会社にするのではなく、もう1つの業者から予め見積りをとっておき、それより高ければその業者に頼まず、それより安ければその業者に頼むというように意思決定の基準とする。但し、見積もりの値段は相手には教えないということも重要。言われれば納得なのだが、つい億劫になってしまいそうなので、ちゃんと実行しようと思った。
もう1つは交渉相手が提示したり断ったりする選択肢の背景に何があるかをちゃんと理解しようとすることである。相手がどうしても沖縄に行きたいといって譲れないとするとき、相手は沖縄の何に惹かれているかをきっちりと理解すること。仮に海だったら静岡県でも良さそうだし、飛行機に乗りたいのであれば別の離島でも良いかもしれない。相手の根っこにある利害を理解することで、他の落とし所が見えてくるということである。
全般を通じてわかりやすく興味深かった。