【映画】ペンタゴン・ペーパーズ
映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を拝見した。新聞社のオーナーが国の機密文書を紙面に載せるかの意思決定をする物語。ジャーナリズムの使命として国家の問題点を国民に知らせることが挙げられるが、それは国家にとっては都合の悪いことなので国家から脅しをかけられることがある。本作ではベトナム戦争に関わる文書を公開するか否かの意思決定を行う際に、公開すると秘密保護法に反するので訴えると脅される。その訴えが無理筋であっても、仮に裁判に負けて賠償金を払うこととなることは手痛い。さて、本作の新聞社はどのような決断をするのだろうか。以下、ネタバレを含みます。
興味深かったのは2点。1点目は同業他社であるニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが手を組むこと。ともに国家から脅しをかけられている立場であるので、普段はライバルであっても手を組む様子が描かれていた。
2点目は後追い報道。結局ワシントン・ポストは迷いの末に報道するという決断をするが、その後を追って他の新聞社も機密の内容について報道する。それを見てオーナーは、記事にするという決断をしてよかったとホッとする。日本の記者会見では会見後に記者同士が何かを打ち合わせしている様子を見た記憶があるが、どうしても他の新聞者の動向が気になるのだろうか。その点、本作のオーナーは自分1人で決断しているように見えたので、強い人間であるなと思った。