【読書】広井良典「無と意識の人類史: 私たちはどこへ向かうのか」

「無と意識の人類史: 私たちはどこへ向かうのか」という本を読んだ。人間の命や地球の資源が有限であることに直面した人間は、一方では寿命を延ばそうとしたり資源をもっと見つけようと外へ拡張するアプローチを行うが、そこに限界を感じたとき、今の生命を見つめようとしたり自然の中に神を見出したり内を深掘るアプローチを行う。有限であることと内側に向かうということは密接に関わっている、というのが本書で理解できた部分である。

一方、説明を省略するという記述や、以前の書籍で述べた通りという記述が目立ち読者への配慮が不足しているように思えた。引用文献も日本語のものが多く、断定口調で物理学などの知見を紹介する割には著者がどの程度そういった方面の知見に明るいかについては疑問が残る。引用文献の書籍の表紙を図として載せるぐらいであれば、もう少し丁寧に説明して頂きたいと思った。アマゾンでの評価は高評価であるが、自分の印象とは合わなかった。

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