【読書】川上未映子「ヘヴン」

川上未映子さんの「ヘヴン」という小説を読んだ。いじめられっ子が痛みを抱えながらもそれを親にも教員にも言うことができずひたすらに耐えていくという展開は辛いものであったが、最後の描写がこれぞ小説の醍醐味と思えるほどの美しさであった。「世界には向こう側があった」という言葉の強さ。向こう側を見ることができない者も、向こう側を信じて強く生きていく気になる1冊である。

いいなと思ったら応援しよう!