【読書】尾崎英子「竜になれ、馬になれ」
「竜になれ、馬になれ」という小説を読んだ。将棋を題材にした小説。ウィッグであることを隠して登校していたがそれが親友にバレてしまい学校にいづらくなってしまった女子小学生。将棋が好きでプロ棋士になったものの勝負の世界に生きる中で将棋を楽しめなくなり若く棋士を引退し新たにカフェを開いた女性。女子小学生は学校とは違う居場所を見つけ、不安定な友人関係の気をまぎらわせることができる。カフェの女性はすくすくと将棋に熱中する少女を見て嬉しい気持ちになる。以下、ネタバレを含みます。
個人的には女流棋士の気持ちに共感することがあった。もともとは将棋そのものが好きでそれを楽しんでいたのにいつの間にやら勝つために将棋をするという状況は、もともとは勉強そのものが好きだったのにいつの間にやら受験のための勉強に変わっていたという状況と似ていると思われた。
趣味を仕事にするのは良くないとたまに聞くが、趣味を趣味そのものとして捉えるではなくお金のための何事かというように捉えるようになると危険であるということだろう。
これはちょっとネタバレであるが、最後は藤井システムっぽくて将棋ファンとしてテンションが上った。