【読書】先崎学「将棋指しの腹のうち」

「将棋指しの腹のうち」という本を読んだ。プロの将棋棋士が、将棋めしについてエピソードを交えながら記した1冊。興味深く、面白く、すぐに読み終わることができる。森下卓九段のエピソードが特に興味深い。森下九段が奨励会員だった頃にみかんを食べようと思ったら、「まだ棋士じゃないからみかんを食べてはならない」と言われたというエピソード。それだけでなく森下九段がその話を未だに繰り返し話すという話、いかにも森下九段だと思った。彼自身は面白いエピソードとしてしているのだろうけれども、その副産物としてプロ棋士が奨励会員に優しくなったのではないかという先崎九段の考察。また国民栄誉賞をとった羽生さんが将棋連盟の職員にうなぎを振る舞ったというエピソードも心温まった。面白い。