恐縮ですが…『鬱病』の話。④
こんにちは、お疲れさまです。
本社へ戻って…
さぁ“心機一転”の積もりで、本社へ戻ると配属された先は《今まで関わったことも全く無い部署》でした。
いっそ『未経験な部署の方がやり直せて良いか』と思って赴いたところ…、とてもwelcomeな状況ではなく《とんでもない厄介者を押し付けられたぞ》と云う空気で職場は充満していました。直の上司は何を話し掛けても“いつも迷惑顔”、若い年下の社員は“近寄ると変なバイ菌が移るかの様な態度”、窓口の事務処理について聞いても、「それはPCの…の…の所を開いて、そこにマニュアルがありますから、それを御自分で確認してください。」
急な外線対応でも「マニュアルの○ページから□ページの所に書いてあります。ソッチを見てください。」とだけ…。事務処理もペーパーレス化が進み、稟議書一つとってもPCが無いと何も進みません。
少しずつ慣れてきて、窓口対応や単純な事務処理について、ふと改善点が浮かび、提案しようとしても、「勝手に手順を変えようとしないでください。どうしても変えたいなら、担当の月例会議に諮ってからにしてください。」…。
しばらく本社を離れている内に、こんな「マニュアル人間ばかりに成ってしまったのか…」と落胆しました。又それを上司に相談しても、「君は後から来たんだから、職場に余計な波風立てる様なことはしないでくれ」とにべもなく言われ、《人の意見を前向きに聞こうと思う人は居ないのか…》と更に落ち込み、気が付けば溜め息ばかりして過ごす様に成りました。
転医先の医師(=主治医)に状況を話すと「薬を増やしましょう」と言われ、それを服んで職場へ行くと今度は急な眠気に襲われる様に成りました。服薬量を調節しようとはするのですが、全く服まないわけにも行かず、職場でフワッと眠くなる事が起きると、近くに座っている同僚が「○○さん(=自分)、仕事中になに寝てるんですか!」とわざわざ大きな声で注意されることも度々。仕方無く、頻繁にトイレへ行って目を覚ます様に誤魔化すのが日課に成りました。
その上、本社のメンタルヘルス担当へ上記の話を伝えても、「それはあなたが職場に溶け込む努力が足りないんですよ。」としか言われず、《自分は落ちこぼれなのか…》と云う気持ちに苛まれ、モチベーションなど何処へやら、出社すること自体が“苦痛”に成っていきました。
再びの《休職》…
こうなると坂を転げ落ちる様に、精神的に追い詰められて行きます。段々休みがちに成り、その挙句が『○○さん、そんなに順応出来ないのなら又《休職》しますか?』と云う人事担当からの“勧告という名の指示”…。
出勤しても碌な挨拶もされず、日常会話をしようとしても冷たい返事ばかりの日々。この頃からハッキリと“不眠や気分の落ち込み”を自覚するように成りました。流石にこの時は躊躇わずに《休職》を選択しました。
前回と比べて良かったのは、転医先の主治医が話をよく聞いてくれ、『それは針の筵に座らさせている様で酷いなぁ…』『あなたは元々鬱病では無かった筈。その後の会社の対応が“逆に鬱病を誘発させて”いる』『本社のメンタルヘルス担当の対応は無責任でおかしい』と言ってくれた事です。その時だけは《本当に救われた気持ち》に成りました。とは言え「主治医が本社へ怒鳴り込んでくれる訳では無い」ですからね…w。
休職期間についても『○週間等、チマチマした休暇では全く意味が無い。ここはしっかり休みなさい』と、《数ヶ月単位の休養を要する》旨の診断書を書いてくれました。
さて、こうして《休職》になると“良い骨休め”が出来るか、と言えばさにあらず。
今度は『自分はもう“会社に適合出来ない人間”なのではないか』と自分に自信が失くなる方向へ考える様になり、一気に“挫折感”に襲われました。食欲の低下から、何もしたくない、誰とも会いたくない、こんな自分に会わせる顔も無い、楽しい事など一つも無い、こんな人間は不要だ…と自己嫌悪感が増大し始め、かえって負のスパイラルに落ちていったのです。会社がそれほど自宅から遠い距離にある場所では無かったのもあり、「知ってる社員に、何処かでバッタリはち合わせたらどうしよう」等と考え、外出するのも“怖い”と云う感覚にすら陥りました。
妻はパート等でちょこちょこ外出しますが、自分は一日中《茶の間に座って、目の前の床を見つめるだけの毎日》…。「鬱病」なんて他人事だと思っていたのに、いつの間にかズブズブと泥沼に嵌まっていくような日々が始まります。
主治医は、診察と並行して《専門カウンセラーによるカウンセリング》も行ってくれました。これは、今現在の症状をどうこう話すのではなく、自分の今までの生き方や思考パターンの傾向等を、カウンセラーと話し合いながら抽出して、それを対話しながら改善の方向へ導きます。これはこれで一定の意味はあったと思いましたが、当の主治医が『アレはあくまでもサブ(本人の“気付き”を抽出する為だけの事)だから…』とあまり重視してくれず、一年弱ほど続けましたが、最終的には“ただの愚痴大会”の様になってしまい、自分自身、逆に意味を見出せなくなり中止しました。カウンセラーの方には、今でも本当に感謝していますけどね。
ここから数年間、自分でも予想だにしなかった《休職⇆復職》と云う“本当にツラい”地獄の期間が始まります…。
(続く)