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受け止めつつ前に進む
12月の僕の誕生日まで、妻とは何も連絡もを取らずに別居するとお互い決めていた。
その時書いたnoteを読むと当時の心境を思い出す。この時はとてもじゃないが、お互い何かが進む気がまったくしなかった。
その日から約半年間、妻のことを忘れようとしながらも忘れられない中で過ごしていた日々は精神的にかなりきつかった。家の中にある思い出の物は目をやらないようにすべてしまい込み、過去の記憶や波打つ感情をすべて押し殺しながら気持ちを安定させることに努めた。
我ながら女々しいし、だいぶ引きずるものだなと思ったが、僕にとって思った以上に大きな傷だったようだ。
そしてとうとうと言うべきか、ようやくと言うべきか、今月頭の僕の誕生日に、僕は妻と会えた。
とはいえ妻は何一つ考えは変わっていない。半年間の出来事をお互い話し終えた後は会話が一転。妻からただただ別れたいと伝えられ、それからの話はその一点張りだった。
「何が悪いとかでもなく、一緒に居る未来が見えない」
「結婚した時から愛情が深かったわけでもなかったのかもしれない」
「相性が悪いんだと思う」
そんな言葉を残して、妻はまた実家に帰っていった。もう家に戻ってくることはないだろう。
妻にそう思わせたことも我ながら情けないが、こんな形で家族は崩れるものなのだなとも思った。1年前の結婚式から一度も生活を共にしてない。まだ何も始まっていないのに、こんな簡単に終わるものなのだと、妻が実家に戻った後に一人思っていた。
自由に生きること自体になんら否定はないし止める権利もないが、自由すぎる現実を簡単に受け止めきれるものでもなかった。誰かと共に生きるというのは、本当に難しいものだなと感じる。
家族ってなんだろう。結婚する意味ってなんだろう。家庭を持つ意味ってなんだろう。そんなことを今は思いながら毎日を過ごしている。やりきれない気持ちはあるが、現実も受け止めないといけない。
一生忘れることのない誕生日になったが、いつか「こんなこともあったな…」と懐かしい気持ちで振り返れるようになれればとも思う。時間は待ってくれないし、世の中は淡々と動いていく。止まってばかりもいられない。
当たり前だが、人生はたったの一度だ。どんなに辛くても、人生を諦めることだけはしたくない。自分の悪いと思う点は反省しつつ、前を向こうと少しずつ思うようにしている。
「この日があったから今がある」なんてことを思える日が、いつか来ればいい。それがいつになるかなんて分からないけれども、その時が来ることを信じたい。そして死ぬときに「後悔ない人生だった!」と胸を張って言えるような生き方をしたい。そんなことを20代最後の誕生日に、強く思った。