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月ににっこりしたさみしさ
こんばんは。
帰り道に信号待ちの間でふと見上げた月がとっても綺麗でした。
真っ黒の夜、かかる雲の輪郭が月に照らされて光っていてそこからツヤツヤした月が覗いたり隠れたり。
いっつもこれを写真に収めたいと思うけど、携帯のカメラだとよく映らないし目の方が繊細にいろいろ見えてよいんですよね。
こうやってふと見上げた月を「きれいだな」って思う感性さえ保てれば
10年後も20年後も幸せに生きていける ってわりと本気でおもってます。
だけどこれって実際10年後20年後には失われる気持ちなんだろうか…
そのときになってみないと分からないですね。
この間、有川浩さんの「ストーリーテラー」を読み返しました。
7年前の感想で
「ひとがひとを想うってこんなに大きな気持ちなんだって改めて感じた。
私の心の中にもこんなふうな愛が溢れるときがいつか来るのかなって思ったら、この先の人生を愛おしくもなりました。」
と書いてました。
この本は夫婦のそれぞれの視点で語られる話なんだけど、当時私の中では相当な衝撃があった。それを覚えてる。どのシーンで、とかじゃなくて、「愛する人のためならここまでできるものなの!?」っていう。「そんなの知らなかった!」っていう驚き。
結婚ってこうなんだ
夫婦ってこうなんだ
いっそ畏れるような気持ちで、憧れました。
憧れると同時に「自分もいつか」って信じられたのだなぁて当時の感想文を読んで思いますね。
そういえば「となりのトトロ」を初めて見たのも、中学生のときだったんですけど、いっぺんで大好きになって
「子どものときに見ておいてよかった!危なかった!」って心の底から思ってました。
♪子供のときにだけあなたに訪れる不思議な出会い
だから、大人になってから見てたらものすごく後悔してたな、だってもうトトロに会えないって分っちゃってるもん、今なら子どもだからまだこれから会える!今トトロを知って良かった!って思考でした。
今思えばすごいな、と。未来は無限だったんだな〜って思います。
今でもそういう気持ちは残ってて、冒頭の月を綺麗だって思ってれば大丈夫みたいなことを言い出すわけなんですけど。
先日、また初見の時の気持ちを味わいたいなと思って「ストーリーテラー」を読み返したけど、同じように感じることはできなくて、、すっごく寂しかったんです。
もちろん素敵な話であることに変わりはないんですが、もう私の中ではファンタジーとして読んじゃってるというか…感想の成分に「自分にもいつか」って要素はなくなっちゃった感じで、変に冷静に受け止めてしまうところもある。
婚活してるからかな。結婚がリアルに課題になってて、それと向き合ってるからこそ、冷静にもなる。
それは決して悪いことではないのにね。
ツヤツヤした月みたいな、
じぶんの中の何かきれいなものを手放していくような、
生きてるとそんなさみしさの予感がするけど、その“さみしい“って思う気持ちが残っていたなら大丈夫。
ということにしておこう。
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