【ISANA】船団のチーム力を最大化する操業方法とは|大阪府 二艘曳網船団 淀川丸の例
今回は大阪湾で操業する二艘曳網船団 淀川丸の北村さんにお話をお伺いしました。
当船団ではすべての船にISANAを設置し、船団のチームワークを最大限に生かした操業を行っているそうです。
LH「お時間いただき有難うございます。本日は所有隻数3隻全てにISANAの機器を取付ていただくメリットについてお伺いしたいと思います。宜しくお願い致します!」
北村「うん。」
LH「北村さんはどちらの船に乗られていらっしゃいますか?」
北村「僕は真網に乗っています。」
LH「どういうシーンでISANAをご活用いただいていますか?」
北村「色々な場面で見ていますよ!
操業直後の動きからお話しますと、三隻操業のバッチ網だと、網船は運搬船の後ろをついていくことが多いと思いますが、私たちは操業直後から運搬船と網船が別々に行動して漁場を探索します。
まずここが少し他の船団とは変わったところかもしれません。
前日の情報などを参考に、だいたいどの辺に探索しにいくか決めますが、探索を手船だけに任せるのではなく、網船でも探索することでより広い範囲の漁場を確認できます。
LH「なるほど。」
北村「大阪湾の北部は水深が浅く、南の水深の深い場所のように朝の魚の映り方が後々大きく変化することはあまりありません。多くの船が通った後は魚が散ってしまいますので、朝一の映り方を非常に重要視しています」
LH「どういう点を特に注意されていらっしゃいますか?」
北村「いかなごはスピード勝負の所もありますが、シラスは品物の状態と魚の大きさ、量が重要になります。ソナーや、魚探の情報をもとに魚のたまっている場所、その群れの大きさ、魚の状態を確認します。」
LH「なるほど!」
北村「既にその時点である程度固まっていたり、後々出てくるかもしれない場所は地図にチェックしたりしますね。」
LH「そうなんですね。過去の記録も見られたりしますか?」
北村「見ることは勿論あります。ただ、1ヶ月も前の情報はあまり参考にならないと思っているので、1週間分の情報を参考にしますね。特には前日と、当日の情報を参考にします。」
LH「なるほどなるほど。そして漁場を選んで網を曳くんですね!」
北村「そうです。」
LH「網を入れる時には何の情報を重要視しているのでしょうか?」
北村「ソナーの情報を特に重要視しています。全方位的にいるのか、まとまっているのか。その群れがどのようにのびているか。その情報と潮の流れを見ながら網をどう入れて、どのように引っ張っていくか。ある程度決めてから網をいれますね。」
LH「なるほど!これらの情報から判断し、決定されるのは北村さんなんですね。」
北村「はい。私が様々な情報を元に網入れを決めます。」
LH「そうなると、北村さんが各船の情報を見ておけばが良いように思えるのですが、3隻の全員で共有するメリットはどこにあるのでしょうか??」
北村「漁師の習性でしょうか。笑
自分の映りが良いと、自分側に網を曳きたくなるものです。でも、両方見えているとどうでしょう?
お互いに統一した意識を持って操船するので、面舵、取り舵の息が合います。
ですから、漁撈機器は同じものを使って、操業中にも感度や確度などの見え方をちょこちょこ変えてみたりします。
ソナーで方向みつつ、魚探で高さを確認します。ソナーの情報は特に重要ですね。」
LH「操業中に調整されるのはご自身の船だけですか?」
北村「いえ、無線で調整をお願いしてます。」
LH「なるほど!結構忙しいですね。」
北村「そうなんです。かなり忙しいんですよ。無線、電話で広い範囲の漁場の情報を入れつつ、各船の漁撈機器情報も判断基準にして、さらに周り船がどちらに漕いでいるかも見ながら網を曳きます。」
LH「凄いですね!」
北村「皆さんしていると思いますよ。
ただ、僕らの場合は網船同士で情報を見合っているので、一本スーッと網を曳いていくのではなく、お互い調整して、蛇行しながら250メートル先の網に狙った魚の塊が入るように調整しています。」
LH「めちゃめちゃテクニックが必要そうですね!」
北村「確かにこれは経験が必要だと思います。潮の流れもありますし、早めに舵を切りすぎても遅くなっても狙った魚の塊が網に入りませんので、大型トラックのイメージに近いかもしれません。内輪差みたいなものが生まれます。」
LH「大型トラックですか!めちゃめちゃ分かりやすい例えですね!」
北村「はい。両方の船で共有していないとなかなか微妙な調整が難しいと思います。
僕らくらい多すぎる調整をしている船は珍しいのかもしれませんね。笑
無線で「淀川丸はなんであんなにフラフラしとんや?」みたいな声も聞いたことがありますし笑
LH「なるほどー!それにしても、網船同士の共有が重要なのが良く分かりました!」
北村「あと、僕らは皆自由なんです。誰かの一声で全部決まるってわけじゃないからできるんだと思います。
僕だけで決めるのは簡単かもしれないですが、僕だけが見て、決めると結局「自分の方が良かったんじゃないか」みたいな不平が溜まりそうですし。
皆で見えてるので、凄く微妙な調整ができる。それで成果が上がれば皆嬉しいので。いいじゃないですか。」
LH「ランニングコストについてはいかがでしょうか?」
北村「もちろん意識します。ISANAに限らず油代とか労力とかも。ISANAで言えば、ランニングコストを上回る成果は十分出ていると感じていますよ。」
LH「それはめちゃくちゃ嬉しいお言葉です。
北村「うん。もう廃版になった魚探の映像を飛ばす機械もあったけど、情報の往復で200万。
二つの船に付ければそれだけで400万かかるので、それじゃあいいやってなっりました。
ISANAは1隻あたりの費用も安いし、ソナーのデータも飛ばせる。ISANAが無い時はLINEで写真送ったりしてたけど、ずっと更新してくれるとやっぱりかなり楽だよ。」
LH「良かったです。でも確かに、先ほど伺ったように、電話や無線で情報交換しつつ、周りの船の動きも確認していたらめちゃ忙しいですし、LINE送ってとか行って携帯見てる場合じゃないですもんね。」
北村「そうそう。運搬船が返ってくる時に映りも見れますからね。ほんと情報戦。あと網船は手が濡れないけど、手船は濡れることもあるから携帯をそんなにいじれないですし。」
LH「なるほどー!そういう背景もあったんですね。」
北村「これからは、ちゃんと必要な設備に投資して活用していかないとやっていけない気がしている。ISANAはいいもんだと思うよ。」
LH「いやぁ、ホントに勉強になりました。有難うございました!」
淀川丸さんではISANAを使って操業が効率化されるだけではなく、持前のチームワークを最大限に発揮しているのが印象的でした!
また全員が共通の意思を持つことで、船団内の信頼関係を活かした高レベルの操業を実現しておられます!
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