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【司法試験・予備試験】今日の指導メモ~行政訴訟の類型の理解
今日の指導の際に筆記したメモです。具体例の説明などはわかりやすさ重視(イメージさえあればOK)のため不正確な部分もあります。記載などで気になる点は教科書で確認してみてください。
行政事件訴訟法の訴訟類型
第1 抗告訴訟
・処分の取消の訴え
⇒処分(裁決を除く)もの全般
・裁決取消訴え
⇒裁決(審査請求による裁定処分)を対象
・無効確認訴え
⇒出訴期間を経過した処分すべて(裁決を含む)
・不作為の違法確認
⇒申請に対する処分(ここは行手法の概念と同じ)で申請して処分がなされていない時
・直接型義務付け訴訟
⇒監督権等の命令を発動させる場合
・申請型義務付け訴訟
⇒許認可等をもらうために手続きを尽くしたが、思っていた処分が出なかった場合にする
・差止訴訟
⇒いやな処分が来そうな時に止めるため
※取消訴訟をして執行停止で効力を止めても回復できない場合
第2 当事者訴訟
1 条文
(当事者訴訟)
第四条
この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。
法律関係に関する=権利義務
当事者=公権力の主体(国または公共団体など)との関係
2 形式的当事者訴訟
例1:土地収用法上の収用裁決の補償金額に関する訴訟
収用委員会(が帰属する公共団体)が金額を決める
土地所有者(収容されてお金をもらう側)、事業者(収用により土地を得る)
収用の過程で土地の金額をいくらにする?かを決める収用委員会
この場合、事業者に適正な価格を払え!って行っても、決定権がないはず。しかし、実際には金額を支払うのは事業者。そのため事業者と土地諸州者で争わせればよい。
⇒行政機関(実質的に権限が帰属している)者ではなく、金額を所有者・企業者で争わせればいい。
例2:特許権侵害
特権権者⇒侵害している人に請求しないと回復できないはず…しかし、特許権の範囲はと特許庁の処分で決まる。
⇒形式的に特許庁を相手に特許権の取消訴訟形式をとっている。
※法律上相手方が個別法で決まっている場合のことを指す(この認識で基本OK)
※収用裁決⇒裁決取消の訴え(行政事件訴訟法3条3項)を提起できない。
裁決とは、争訟裁定的な処分をいう(審査請求をした結果等)。
裁決という言葉で惑わされないように!!
2 実質的当事者訴訟
公法上の権利関係に関する訴え
⑴ 確認訴訟
例1:選挙権の行使ができることの確認(在外邦人選挙権事件)
直接個人が選挙権を行使できるか?
例2:公務員の地位の確認(懲戒処分の取消訴訟でいけるからあまりないかも)
直接その公共団体や国の公務員であることの確認をする
⑵ 給付訴訟
例3:公務員の給与支払請求訴訟
例4:損失補償請求訴訟
※ここまでは典型例なので…
⑸ 問題になる類型
例5:行政指導に基づく○○という行為をする義務が存在しないことの確認
例6:通達(ガイドライン等の行政規則)に基づく○○という行為をする義務が存在しないことの確認
※例5と例6は処分性がない場合の争う方法としてあると認識していればOK
※処分性を肯定して、通達や行政指導そのものを攻撃できるのであれば、そちらの方が有利な場合もある(第三者効があるのでそっちがよい:保育園廃止条例事件など)
※上記のような形で具体的権利義務関係に引き直して請求の趣旨を確定できるか否かが重要
※抗告訴訟との対比で出題されることが多い
Q通達そのものが違法であることの確認を請求の趣旨とする訴訟は提起できますか?
Aダメ
∵確認訴訟における訴訟要件のうち、対象選択の適否を欠く可能性が高い(自己の法律関係に直接影響していない)
※行政事件訴訟法7条で民事訴訟法の例によるため、通常の民訴の理論で説明する。
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