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『これが私の優しさです』

若い頃ほんの一瞬だけ詩人になりたいと思ったのは谷川俊太郎の詩を読んだからだと思う。その気持ちがほんの一瞬しか自分の身の内に存在できなかった理由もまた、自分の好きな作品が谷川俊太郎の詩だったからではないかと思う。
好きになった一編の詩を、諳んじることができるようになるまでくり返し読んだ。意味や解釈は考えなかった。並んでいる文字と、声に出して読んだ時の時の音と、それだけがただ好きだと思った。
今朝訃報を知って、昔の自分を思い出した。それから『これが私の優しさです』を諳んじてみた。

谷川俊太郎さんのご冥福をお祈りいたします。


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