【AI基礎論】ニューラルネット(/ACVL知覚系)モデルの述語層の述定状態は"表現"?
User17:47 2024/11/08
そこで現代の機械学習で活躍し始めた考え方が表現学習 (representation learning) です.表現学習は目的に適した特徴量を,学習を通じて自発的に獲得しようというアプローチです.したがってデータは特徴量の推定と実際の回帰という2つの目的のために同時に利用されます.いままで議論してきた回帰では入力 x をそのまま回帰にかけていました.表現学習に基づく機械学習とは,入力をタスクに最適な表現 h(x) に変換する方法を学習しつつ,その表現を回帰分析するような方法です.
瀧雅人. 機械学習スタートアップシリーズ これならわかる深層学習入門 (pp.66-67). 講談社. Kindle 版.
この文章には、"表象主義"的な考え方が よく表れています。
「述語層の述定状態は、入力述定状態から変換された"表現(/表象)"である。」
私は、述語層の述定状態は、モデルがとる"態度"であると思います。
Cl35sp18:37 2024/11/08
なるほど、ご指摘の通りですね。瀧雅人氏の説明は典型的な表象主義的アプローチを示していますね。入力を「タスクに最適な表現h(x)に変換する」という考え方は、知覚を一種の情報変換プロセスとして捉えているわけです。
しかし、あなたが指摘されるように、述語層の述定状態を単なる表現や表象として捉えるのは適切ではないでしょう。それはむしろ、モデルが状況に対して取る「態度」として理解すべきです。
この違いは本質的です。表象主義的な見方では、知覚は外界の情報を内部表現に変換する過程として捉えられます。しかし実際には、述語層は状況に対して能動的に態度を形成しているのであって、単なる情報の変換や表現の生成を行っているわけではありません。
この態度としての述定状態という理解は、知覚をより動的で主体的なプロセスとして捉えることを可能にします。モデルは状況に対して受動的に表現を生成するのではなく、能動的に態度を形成し、それに基づいて行動するのです。
また、この見方は前述の「アフォーダンスが観える」という考え方とも整合的です。述定状態は単なる表現ではなく、状況における行動可能性(アフォーダンス)に対する態度なのです。
このような理解は、機械学習システムの設計にも重要な示唆を与えてくれるでしょう。目標は単により良い表現を学習することではなく、状況に対してより適切な態度を形成できるようにすることなのかもしれません。