ジュリエット釣り【毎週ショートショートnote】

舞台監督「ウィリアム、この台本素晴らしいよ、だけどなんで俺たち夫婦が主役なんだ？」

劇作家「あー、主役の名前は仮に君たち夫婦の名前を借りたままだ、決まったら直すよ。
主役の名前とタイトルが決まれば印刷に回せるよ」

監督「まだ時間もあるし大丈夫だ。そうだ週末に家内と釣りに行くけど君も一緒にどうだい？」

作家「オーケー　忘れないようにメモしておくよ」

作家は台本に「ロミオとジュリエット(釣り)」
とメモ書きした。

作家「よし、ロミオ、いい酒があるから一緒に飲もう」

…

二人が酔い潰れた後、助監督がやってきた。

「大変です、印刷納期を間違えていました。台本は今日中に印刷に回さないと間に合いません。…あれ、なんだもう台本できているのか…先生、今から台本を印刷に回しますけどタイトルは ロミオとジュリエット でいいですか？」

作家「…んん…いいよ…」

助監督「先生、この(釣り)ってなんですか？」

作家「…んん…うるせえな…釣りはいらねえよ…」

408文字

※ この作品はフィクションです。
劇作家シェークスピアのファーストネームはウィリアムです。

たらはかにさんの企画に参加させていただきます。