【徹底解説】FSA Credential とは(勉強時間、難易度、申し込み方法、事前準備)
1. FSA Credential 勉強時間・難易度
FSA試験はLevel 1 と Level 2 の二つの試験によって構成されています。
勉強方法としては、Level 1 と Level 2 共に受験申込み後に、公式サイトからダウンロードするテキスト(Study Guide)を使って学習を進めていきます。
公式サイトでは、勉強時間の目安は各レベルでそれぞれ30時間から50時間程度と記載されていますが、Study Guideは各レベルでいずれも300ページ弱も分量があり、かつ全て英語のテキストです。
また、サステナビリティに関する専門用語を理解する必要があり、また、会計や統計に関する内容もカバーする必要があるため、難易度としては高めと考えておいた方が良いでしょう。
英語に不慣れな方がテキストを全て訳しながら読み進めていく場合は、各レベルでそれぞれ倍の60時間-100時間程度は勉強時間として考えておいた方が安全かと思います。
働きながら資格取得を目指す方は、平日に2-3時間程度、休日にも4-5時間程度の勉強時間を確保することができれば、各レベルそれぞれ1か月程度の期間で十分合格可能な水準かと思われます。
2. FSA Credential 試験対策・勉強方法
2.1 試験対策講座
外部の公式プロバイダー(Earth Academy)が試験対策講座を提供していますが、これらは全て英語でのカリキュラムである上に、受講料はLevel 1 のみでも950ユーロと高額です。
こちらの試験対策講座には試験を受けられるバウチャーも含まれているようですが、Level 1 と Level 2 合わせて受験料込みで1850ユーロ(実質的な試験対策講座は750ユーロ※ドル・ユーロの為替レートが同一の前提、かつアライアンスメンバーの割引なしの場合)もかかってしまうことになります。
FSA試験は試験対策講座を受講しなくても、しっかりと効率的に勉強すれば十分合格を狙える資格であると思いますので、個人的には、わざわざ外部の試験対策講座を受講する必要はないと思います。
2.2 試験対策・勉強方法
Level 1 と Level 2 のStudy Guideはそれぞれ大まかに以下のような構成です。
テキスト本編(Part 1 / Part 2 / Part 3)
各章のまとめ・理解の確認(Check your Understanding)
サンプル問題・解説(Sample Question / Explanations)
用語集(Glossary of Key Terms)
会計用語やサステナビリティ用語に慣れ親しんでいない方は、いきなりテキスト本体を読み進めてもあまり内容が頭に入ってこないかと思います。
まずは各章のまとめ・理解の確認(Check your Understanding)を読んでテキストの全体像を把握し、用語集(Glossary of Key Terms)で用語の定義を確認してから、テキストを読み始めることをお勧めします。
もしいきなり英語で読み進めるのに抵抗がある方は、試験に関係するトピックを扱っている本をまずは読んでみるのもおすすめです。
その後、テキストの内容がある程度頭に入ったら、サンプル問題を解いて、間違った問題の解説を読んだり、テキストの該当箇所を読んで理解を深める、という進め方が効率的だと思います。
勉強方法・試験対策の詳細については、こちらの記事でまとめています。
3. FSA Credential 試験申込みから当日までの流れ
3.1 テスト申し込み
試験プロバイダーであるPearson VUEのアカウントを作成し、受験する試験の種類・場所・試験日時を選択して受験料を支払います。
受験場所はテストセンターも選択可能ですが、オンライン(自宅)でも受験することは可能ですので、オンラインが良い場合はこの段階で受験場所はオンラインとして、申し込みを行いましょう。
申し込みが完了すると、受験までの手続き等の情報が登録したメールアドレスに送付されます。また、試験の申し込みが完了すると、登録したメールアドレス宛にテキスト(Study Guide)の案内が送付されます。
そのため、事前に勉強してから申し込み、ということはできず、申し込みをしてからテキストを使って勉強を開始する、という順番になります。
なお、申し込み時点で試験日時も指定してしまいますので、後になって勉強が間に合わない、というケースもあると思います。
試験開始の48時間前まではリスケジュールが可能ですので、勉強が間に合わないと判断したらなるべく早めに別の日時に変更しましょう。(試験時間の48時間以内になると、変更のために$60の手数料が発生します。)
3.2 事前準備(オンライン受験)
申し込みが完了するとPearson VUE(試験プロバイダー)からメールが届きます。案内にしたがって、PC環境のテスト(専用ソフトのインストール、音声・マイク・カメラテスト)を行って事前準備は完了です。
会社PCでの受験を考えている方は、会社PCのセキュリティ上、外部のソフトウェアのインストールを制限している場合がありますので、必ず事前にPC環境のテストを行いましょう。
なお、不正行為防止のために、個室の確保(他の人の出入り厳禁)、PCのフロントカメラが必要、外部モニターの利用禁止などのルールがあります。当日になってバタバタしないように、事前に試験環境を整えておきましょう。
3.3 試験当日
試験時間の30分前からログインして、本人確認(パスポート、運転免許証などのIDが必要)と試験環境の確認(個室の確保、室内の様子の確認、PC環境のテスト等)が行われます。本人確認や試験環境の確認のために、試験に使用するPC以外のカメラ付きのデバイス(スマートフォン)も必要です。
※スマートフォンは試験中は手の届かない範囲に置くように指示されます。
ちなみに、飲み物の持ち込みは可能です。試験時間も長いので、適度に水分補給をしながら臨みましょう(とはいっても、トイレ等での途中離席は原則認められていませんのでご注意ください)。
※FSA Credential は、「Fundamentals of Sustainability Accounting Credential」の略称です。
ESGやサステナビリティに関する全世界的な関心の高まりが見られる近年、国際的に注目されつつある資格の一つであり、サステナビリティ会計の原則および実践に関する専門知識を評価する最高レベルの資格です。世界中の67か国以上が参加し、既に1,400名以上がFSA Credentialを保有しています(2022年11月時点)。