ChatGPTの悲劇 Part6
私の知り合いの話であるが
彼女は田舎暮らしに憧れている
彼女は移住を決断し会社を辞めて
日本最後の秘境と呼ばれている
ある辺境の地に移り住んだ
彼女は引越してすぐに
閉鎖的な村人からの洗礼を受けた
村人と顔を合わせても挨拶をしてもらえず
商店に行っても商品を売ってもらえない
しかし
ある時、彼女は村人が困っていることを知り
ChatGPTを使って手伝いをした
村のイベント企画書の作成や業者への発注書を作成したり
災害時に備えて防災マニュアルを作成したり
昨年の台風被害以来問題となっている水害対策工事に関する国への申請書類の作成
さらに、村人からの健康相談や
投資、経営に関する相談も受けた
特出すべきは彼女が行う作業クオリティの高さだ
全てはChatGPTのおかげであるが
ChatGPTの存在を知らない村人にとって
彼女は神様に見えているようだ
今では彼女は村人からか『全能の神』として崇められている
毎日、彼女の家には村で採れた野菜やお米、時には上質なお肉も届けられる
それに味をしめた彼女は
自分の食べたいもの、欲しいものをリクエストするようになった
彼女は今日も高級車に乗り、ハイブランドを身にまとい優雅な田舎暮らしを満喫している
しかし
そんな優雅な暮らしも長続きはしなかった
最近、村人から彼女の知識(正確にはChatGPTであるが)に対して疑問視する声が出てきたのだ
彼女の助言を信じて
アクセスしようとした会社が存在しなかったり
作成してもらったプログラムのソースコードが著作権に抵触していたり
極めつけは
村民への注意喚起のつもりで、ある人物が起こした事件を村のホームページに記載したが
架空の情報であったため
その人物から村長が名誉毀損で訴えられてしまったのだ
このような状況に彼女は身の危険を感じ
また、ChatGPTの回答を鵜呑みにした自分の行為を悔やみながら
彼女は逃げるように村を去った