【二次創作】アンソロジーの主催を務めた話
はじめに
同人誌の出発点といえば「こんな本が欲しいけど、まだこの世に
存在しないから」だと思う
筆者が実際、それを経験しているので
中でも推しカプやキャラが集結するアンソロジーは夢の企画
筆者は2度、アンソロの主催を務めているので、
その体験談をまとめてみる
どんな条件にするか
推しカプオンリー、特定のキャラ・職業限定など
考え始めればキリがない
主催の性癖に忠実でいいと思う
それに賛同してくれる人はゼロではないので
5~10人ぐらい集まれば、立派なアンソロになる
完全公募はよほどメジャージャンルでもないと集まらないかな~
という印象
予算
企業秘密(語らないのが業界の暗黙の了解である)
アンソロジーとなるとだいたい80~100P程度の厚さが多いので、
どこまで装丁にこだわるか
見開き/スピン/遊び紙/カラー口絵/表紙・本文紙の変更など
イベントに合わせて発行すれば割引サービスの恩恵を得られることが多い
印刷所さんごとにフェアなど独自の割引サービスを展開しているので、
要チェック
2,3箇所を候補に入れて予算の見積もりや利用できるサービスを
比較すると良い
※筆者はプリントオンさんの季節フェアとイベント割引を
利用している
ペーパーはグラフィックさん
前者は装丁が豪華に盛れる=筆者の趣味に一致して
いるため/テンプレートも扱いやすい
後者は印刷が圧倒的に綺麗、かつお値段が良心的
ただし、テンプレが扱いにくい…トンボ無しでも受け付けてくれるので
原稿を希望サイズに自作して入稿している
執筆募集期間
2~3ヶ月
原稿提出期間ギリギリまで募集しているアンソロもある
主催の考え方も大きいので、一概には言えない
個人的には人が集まりにくい条件・ジャンルで主催したため、
募集期間を長めにしないと人が集まらなかったという事情がある
主催が描/書いて欲しい作家さんがいるのなら、
こちらから声をかけるのもアリ
とくに表紙や口絵を頼みたい場合には、なるべく早く相談すること
絵師さんにもスケジュールがあるため
募集参加者の人数
20人以内
これも主催のキャパシティー次第
何人でも歓迎なスタンスを取るアンソロは多いので
筆者の場合は「確実にひとりひとりをサポートできる」限界がこの人数
参加者の原稿経験の有無も大きい
経験者であれば原稿の作り方もわかっているので問題ないが、
初参加の方はサポートが必要になる場合があるので(筆者も初参加時は
主催様のサポートが必須の状態だった)
執筆期間
3~6ヶ月
他の原稿と同時進行であったり、リアルの事情も考慮すれば、
執筆期間は長めに見た方がいい
その上で、締め切りが近付いても連絡がない参加者には連絡を
間際になっても原稿が出来ていない、というケースは存外に多いので
小説・漫画・イラスト
基本的には、イラストは印刷所さんのテンプレートを送付すれば大丈夫
小説に関してはテンプレが存在しない場合が多いので、
Wordで作成し、それを渡している
筆者はA5の本をメインにしている
塗り足し(紙を裁断する際の予備スペース)込みで216×154㎜
Wordのレイアウト→サイズから変更出来る
※WordのA5(他のサイズも)設定は塗り足しが不足しているので
不備扱いになる 要注意
コメントカット
自作して配布した方が親切だと感じる
筆者は寄稿の際にコメントカット自作(サイズ指定などもない)という
ケースに遭遇し、非常に困ったことがあるので
告知サイト/アカウント
あった方がいい
参加者さんが必ず主催垢をフォローしてくれるとは限らないため、
連絡手段を確保するためにも必要
告知アカウントでは企画の宣伝・全体連絡がメインとなる
サイトは手がかかるため、事前に作成しておくことを推奨
企画のアピールポイントや参加規約、参加フォームなどを設置
スマートフォンから閲覧する方も多いので、
スマホ版の方も確認しておくこと
※パソコンで作成した場合、スマホ版はレイアウトが
崩れていることが多い
大抵はスマホ版と操作切り替えが可能なので、
そちらで調整すること
使った機材
クリスタEXをパソコンで編集
PROには「ノンブルを自動でつけてくれる」機能がない
これの有無で作業効率が大きく変わる
複数のページをまとめて編集できるのも便利
小説原稿はWord
こちらは簡単にノンブルを入れられる
主催が実際に企画した例
ジャンルA(ネタバレ無し/全年齢向け)
参加者:13名
表紙・裏表紙・口絵(両面):参加絵師様に依頼
ロゴ制作:SNS相互様に依頼
本文:138P
謝礼:献本+ノベルティ
ジャンルB(シリーズオンリー/全年齢向け)
参加者:20名
表紙・裏表紙:自作
口絵(両面×2):参加絵師様に依頼
ロゴ制作:SNS相互様に依頼
本文:未定(現在進行中)
謝礼:献本+ノベルティ
寄稿するに当たって
筆者は寄稿から同人生活をスタートさせているので
参加を迷っている方の参考になれば
・原稿経験の有無
初参加でも受け入れて下さるかどうか
主催さんごとに事情がある
初参加でもOKの場合、主催さん側でサポートがある場合が多い
わからないことは聞いてから原稿に取り組んだ方がいい
・ページの枚数
1~10P程度の募集が多い
締め切りを守れるかどうか、無理のない範囲で考えておこう
個人的には、興味があるのなら思いきって参加してみるのは大いに
アリだと思う
筆者は誰とも交流せずに自サイトに引き籠もっていた時期があるが、
何度かアンソロに参加してみたいと思うことがあった
そのときは結局、勇気が出せずに(原稿への知識がなく、自信がなかったというのもある)参加を見送った
その後、個人の作家様の御本にゲスト参加する機会を頂き、
そこから寄稿を始めた
今でもその方には感謝している
アンソロジーと合同誌の違い
地味に混同している(筆者も注意を受けるまでそうだった)方が多いので
アンソロは「主催が全額を持つ/頒布・企画も主催が行う」
合同誌は「参加者全員で印刷代を割り勘する/頒布・企画も手分けして行う」
――という違いがある
けっこう意味が違ってくるので覚えておこう