”Hotel du Cap Eden Roc”（5）ディオールの香水エデンロック
Hotel du Cap Eden Rocをモチーフにした香水の香りを確認してから書こうと思っていたが、今回は実際の香りを知らない状態で書き進めている。
知りたかった事は、香りがこのホテルの何を表現しようとしているかだ。この香水の調香師の文章を読むとおおよそ具体的に何を表現しようとしているかがわかる。
この香りの為に幾千の時間を費やした調香師が最終的にエデンロックのどの部分を表現したのだろうか。
※引用はディオール公式ページよりエデンロックの調香師の言葉(太字部分）
「海からホテルへ到着する光景をイメージしながら、新作フレグランス「エデン ロック」を創りました。
これは陸上からでなくて【海】からホテルに到着する光景がイメージされている。陸上から車でホテルに横づけするのではなく、クルーザーで、海上からホテルへ向かうイメージ。美しいクラシックのオーバチュアのような始まりの文章だ。
塩、太陽、白い岩、青々とした緑の庭園がインスピレーションの源。これはアンティーブ岬の類いまれなロケーションを描写した香りです。
海の香りを鼻（nez）から感じ、ホテルの門番の様に出迎える白い岩、美しく整えられた、青緑に佇む庭園を横目に、衣服で覆われていない皮膚の全て、顔や首、腕や足元に当たるまばゆい光を感じとる。
ロケーションの描写とあるが、身体中でエデンロックのあるAntibesを感じ取れそうな香りだ。
そのアコードには、潮風、花々、シトラスフルーツ、アロマティックな香り、そして海辺の松の木といった地中海のストーリーが綴られています。オテル・デュ・キャップ エデン＝ロックはラグジュアリーの伝説であり、その空気には極上の洗練と優雅なシンプルさが息づいています。
潮風、庭園の花々、シトラスか。レモン系の柑橘系の香り、、Antibesから車で1時間いくとレモンの産地で有名なマントンがある。マントンといえば2月のレモン祭りは非常に有名だ。モナコのF1より混雑する事もあると聞く。
https://www.fete-du-citron.com/
私が調香師の言葉として想像していたのは、何か香りに纏わる具体的な物語が語られるのでは？というものだった。
例えば、年齢、これまでの人生のストーリー、のようなものが想像できる【架空の誰か】をモチーフに展開されるホテルでの美しい思い出、、のようなものを想像した。
しかしここまででは人間が不在で、環境描写が主なのだ。ゲスト（humain）は香水の要素に不要なのだろうか。ホテルの名前を冠する香水なのにそこに滞在するゲストが不在なはずはない。はたしてどんな風に表現するのだろうか。
香水は肌に纏うことでいきいきと香り立ち、場所もまた人がいて初めて息吹が吹き込まれるもの。エデン ロックよ永遠に！
主人公は全てのホテルゲストということか。香りの最後のピースはあなたの肌なのだと。場所がそこに佇むだけでは、静止した絵画と同じだ。けれどもあなたの肌にそれを纏えば、あなただけのエデンロックの物語が動きだす。
こんな香水。
※以下は公式サイトからのエデンロックのもっと詳細な説明
ネーミング
エデン ロックと名付けられたメゾン クリスチャン ディオールの新作フレグランスは、フレンチ リビエラに佇む伝説的なラグジュアリー ホテル「オテル・デュ・キャップ・エデン＝ロック」に捧げるいきいきとした香り。エデン ロックの香りは、燦々と陽射しが降り注ぐ贅沢な地中海の楽園、アンティーブ岬をイメージして創られました。
香りの個性
エデン ロックは、シンプルでナチュラルな美しさを表現した香り。舌の先端に染み込むように残る小さな塩の結晶、太陽に熱されたブロンズ肌、涼しい木陰をもたらす松の木といった地中海の魅力が表現されています。
特徴
まるで地中海に飛び込んだような、潮風を思わす広がるソルティーな調べ。
色調
エデン ロックが体現する3つのシェード。海とそれに溶け込むようなインフィニティ プールの水のブルー。岩肌や横たわるボディに降り注ぐ太陽のイエロー。そしてホテルの緑豊かな庭園に高々と伸びる松の木の爽やかなグリーン。
香りのファミリー
センシュアル。エデン ロックは、草木の青々とした香りとミネラルを併せ持つコンポジション。フレンチ リビエラの喜びを想起させる、フレッシュに輝くウッディ フローラル フレグランスです。白い花々の香りの太陽のような温もり、爽やかなマリン ノート、アロマティックなアコードが、地中海を象徴するアンティーブ岬の燦々と輝く美しさをイメージさせます。
香りの強さ
エデン ロックは、海の爽やかさ、太陽の温もり、そして松の木の木陰の涼しさをミックスさせたフレグランス。