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10.芸人を選び、そして手放すまで
私のnoteでは、かつての芸人時代の体験を物語として綴っています。本日のテーマは「想像していなかった未来」です。最後までお付き合いいただければ幸いです。
人生には無駄が無い
声を大にして言いたい。
人生には無駄が無い。そんな事が言えるのは人生で何度もトライアンドエラーを繰り返してきたからだ。今だから言えるというやつだ。
空回りしてエラーアンドエラーみたいな時期もあったが、それも含めて人生の栄養になっている。
40代になり人生においての喜怒哀楽を一通り経験したから言えるのだ。だから、どうしても伝えたい。
苦しくて投げ出したかった時。
つらくてうずくまっていた時。
もう立ち直れないと絶望した時。
その頃の自分に僕は言いたい。
人生はどう生きたかが大事なのだ。
だから安心して欲しい。それで良いのだ。何も無駄にならないと。
芸人を目指してよかった事
芸人を初めて意識したのは高校生の時だった。
爆笑問題さんのネタを見た事がきっかけだった。ネタの内容は、インタビューでモザイクをかけるからインタビューさせて欲しいと言うが、モザイクがインタビュアーの方に入っていて全部写っているそんな感じだった。
くだらなすぎて面白いと思ったのと、やってみたいと思ったのを覚えている。ちょうど進路に迷っていた時期だった。
それからは、芸人になるための道を探した。そこで、芸人を選ばなかったらと思うとゾッとする。なぜなら、妥協して夢を諦めて周囲に言われるがまま就職をしていたら今頃食いっぱぐれているのではとさえ思うのだ。
自分で選ぶ事。
そして、やり切る事。
その過程は全て人生の宝物になる。
賞レースの予選で勝ち上がれず涙した事。
たくさんの芸人さん達に出会えた事。
舞台でお客さんに笑ってもらえた事。
遠回りした先で勉強出来た事はとてつもなく大きかった。
芸人を引退して良かった事
東日本大震災を機に芸人を引退しようと思った。それは正しい選択だった。辞めない事が唯一売れる方法だと信じていたが、才能が無いのに続けていても得られるものは少なかっただろう。
幸いなことに30歳になる前に就職活動が出来た事で選択肢も多く、今日まで食い繋ぐ事が出来てきた。
就職活動において、今まで夢を追いかけてきた事はほぼどの会社でも評価してもらえた。そこで、顔をしかめるような会社はそもそも縁がないのだと思う。
つまり、白紙の履歴書が人生の足を引っ張る事はないのだ。自分の色をそこに書き込めばいいのだから。
僕は芸人で売れる夢は叶わなかったけれども、芸人を通じて何がしたかったのかを考えると現在も継続して夢を追い続けられているのではないか。
誰かを爆笑させる事は出来なくても、この人、人間として面白いなと思ってもらう事は出来るし全ての夢がシャットアウトされた訳ではない。
たくさんの趣味も出来たし、人生一つしか道がない訳じゃない。
だから、引退して会社員になる人生も悪い事では無かった。
そして、何より自分の携わったものが社会に流通しているというのは会社員として社会に貢献出来ていると感じる事が出来る嬉しい瞬間である。
チャレンジして良かった事
ストレートに就職していた場合と、好きな事やってそれから就職した場合どちらが幸せなのか。それは一概には言えない。
でも、確実に言えるのはそこに自分の意思がどれだけあるのかだ。
やったけど上手くいかなかった。そんなのどうだっていい。自分で選んでチャレンジした事に意味がある。
チャレンジした事が後々生きてくる事が本当にあるから。
それに後ろ指さされようと気にすることなんかない。堂々と真ん中歩けば良い。
過去の自分が、自らの意思で選んで生きてくれたおかげで今の幸せがある。
当たり前にご飯が食べられること。
布団でゆっくり眠れること。
趣味に夢中になれること。
全部、自己責任でたくさんのチャレンジがあったから得られたこと。
やっぱり人生ってすごいな。
まさに人生には無駄が無い。
これからも、たくさんのトライアンドエラーをしていきたい。