「試合前と試合中で全然人格違うよな!」
試合前は緊張でガタガタなのに試合ではサッカーを楽しめる大友に対するアシトの言葉。
試合で緊張?
緊張感を持って楽しみにしていた試合を終えた君は気が抜けたのか、熱を出してしまった。
はじめて主力として迎えた公式戦、初めてのゲームキャプテン、歓喜と落胆…いろんなことがあったからね。
今はゆっくり休んで、また回復して来たら栄養と休養をしっかり取りながら体力を少しずつ取り戻していこう。
今日は試合と心の関係について少し話してみようか。
試合は、君だけでなくすべての選手にとって特別な舞台だよね。
今までの成果を出す発表会であり、練習とは違ってプレーや結果が注目もされる。
そんな特別な試合。
特別な気持ちを持って、特別なプレーをしないといけないと思ってしまう。
だから、試合の前には緊張する分、いつもよりも特別な気合を入れて特別な試合に臨む。
試合で力を発揮するということ
特別な気合を入れることは大事だけど、特別な気合を入れたら君のプレーはどうなるだろう?
特別な気合を入れたら入れた分だけスペシャルなプレーが増えるだろうか?
練習でできなかったプレーが試合でいきなりできるようになるだろうか?
たまには偶然的にそういうこともあるかもしれない。
でも、基本的には練習でできること以上のことは試合でできることはないと思ったほうがいい。
練習でできないことは、気合いを入れようが入れまいが、試合でもできないんだよね。
では、試合だけに特別な気合を入れる目的って何なんだろう?
練習以上は試合でできないんだから、
「練習でできたことを、試合でもできるようにするため」
ってだけなんだね。
練習のように試合でも力を発揮できるようにっていうことなんだ。
練習のように試合を?
練習でできることを試合でも…
つまり、練習のように試合を、ということだが、
試合の規模は時によって違うのが難点だ。
練習試合やリーグ戦の1戦は、親くらいしか観客がいないけど、
試合の規模が大きくなってくると、観客の数も増える。
また、練習試合と大きな大会の優勝決定戦ではどうしても
試合の意味合いが変わってくる。
そんないろいろな規模の試合がある中、常に練習のように試合を…
ということが果たしてできるだろうか?
観たこともない観客の数を前に、または初めての大舞台での試合に、
平常心で向かうことはとても難しいことだ。
今日から(風邪が治ったら)始める「試合のように練習を!」
そこで、発想の転換をしてみよう。
練習のように試合に向かうのではなくて、
大きな規模の試合のように常日頃から練習してみよう。
コツは、できるかぎり具体的にその光景を思い浮かべることだ。
君は県大会の優勝をかけた一戦に挑んでいる。
観客もものすごい数の人たちがこの試合を楽しみにしている。
何しろ大観衆の前だ。
みっともないプレーは見せられない。
何よりみっともないプレーではチームを勝たせられない。
逆に、いいプレーには大歓声が待っている。
いいプレーいいプレーが全国への道につながっている。
君はそんな状況でのサッカーが楽しくて楽しくて仕方ない。
相手も最高のプレーをしてくるが、
それをも上回るプレーをして君はチームを全国に導く…。
そんなことを想定しながら毎回練習に臨んでみよう。
毎回、全国を掛けた気合をもって練習するのだ。
普段からそうやって準備をしておくと、普段の試合では緊張しない。
何しろ毎回、全国大会出場を掛けた試合のような練習を行っているのだ。
普段通りの気合を入れて、普段通りの力を発揮すればそれでいい。
試合でいちいち特別な緊張感と気合は不要だ。
アオアシの大友は、試合前には緊張するが、いざ試合が始まると自分の力を発揮できる。
特に大友の練習に対する心構えはストーリーの中に描写が無いからここはパパの想像だ。
大友は、「サッカーが好きだから」と答えているが、そんな好きなサッカーを普段の練習から高いレベルで楽しんでいるに違いない。
だから、試合前にはいろいろ考えて緊張したとしても、
試合が始まると、練習でやったことにシンプルに集中できるのだ。
君の今回の、緊張して特別な気合を入れて臨んだ試合。
この緊張と気合を忘れないようにしよう。
そして次の練習では、同じくらい、いや、それ以上の緊張感と気合をもって臨んでみよう。
全国大会出場の試合をイメージするとなんだかとっても楽しくなってくるかな?
楽しくも厳しく、高いレベルを目指しながら日々の練習を頑張っていこう。