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外来はなんでこんなに待つの?(初診編)

 今回は初診編です。一般的に初診患者さんの方が再診患者さんよりも待つ傾向にあります。
 今回は病院の初診外来(予約外)で待つ原因を書きたいと思います。

1.受付~2.問診表の記載

・患者の基本情報を入力している。
→医師の仕事ではないため、詳しくは書きませんが、患者の基本情報、年齢や、住所、健康保険などをカルテに入力しています。また、紹介状の取り込みなども行っています。
 この時間に、問診表を書いてもらうことが多いと思います。

2.問診票の記載~3.診察

・問診表や紹介状を見るまで時間がかかる。
→初診外来が設けられる場合は、殆どが順番通りに進むと思いますが、再診患者の合間に呼ばれるシステムの場合は、届けられてから医師が問診表や紹介状を読むまでの時間がかかります。
 ただでさえ再診患者さんの診察も遅れたり押したりしている中、初診患者さんを素早く見るのは難しく、診察の合間に書類を確認したりします。

・患者さんを重症度や診察にかかる時間で判断している。
→書類や問診票から明らかに早く終わる患者さん(薬が切れて、いつもの薬を取りに来た)や重症度が高かったり、今すぐに診察しなければいけない患者さんを先に呼びます。
 すべてを完全に受付順にみるのも可能ですが、例えば失くしてしまった血圧の薬を1週間分だけ処方してもらいに来た患者さんを、1-2時間待たせると、「薬だけ取りに来たのに待たされた。」などのクレームにつながることも多く、診察時間が1~2分で終わることを見越して早く呼びます。(1~2で終われば、他の患者さんへの影響が少ないとの判断です。)
 しかし、中には問診表には「薬だけ希望」と書かれているにも関わらず、症状や困ったことを次々と言う患者さんもいて、その場合には普通の診察になってしまい。他の待っている患者さんに申し訳なく思っています。
 また、重症度が高い患者さんも、当日に検査が複数必要になったり、中には入院が必要になったりして、トータルの時間が長く必要になるため、早めに診察して、検査まわりをしてもらいます。
 このような患者さんが優先的に呼ばれます。
 病院やクリニックによっては、後から来た患者さんが先に呼ばれたというクレームを受けないように完全受付順制をとっているところもあると思います。そのような場合は、どんな患者さんでも待つことになります。

3.診察~4.会計

・患者さんの基本情報を聞くために時間がかかる
→どの仕事もそうですが、初対面の患者さんと対面する場合は時間がかかります。何年も見ている患者さんであれば、どういう人となりか、何の疾患でどんな薬を飲んでいるか、注意する点はどこかなどがわかりますが、初対面の患者さんはどんな人物で、何が困っているか、何の薬を飲んでいるかなど白紙状態なので、その項目を埋めるために質問事項が多くなります。
 初診では、基本的に「主訴(患者さんの訴え)」、「現病歴(今回発生した症状の経緯や経過)」、「既往歴(持病や今までかかったことがある疾患)」「家族歴(血縁関係者の病気)」、「内服歴(使用している薬、時にはサプリ)」「アレルギー歴(自身のアレルギー)」、「生活歴(飲酒、喫煙、職業、家族構成など)」を聞いて、症状によって質問事項を追加していきます。(頭痛であれば、いつ、どんな痛みが、どれくらいの痛みで、他に症状はあるかなど。)
 再診患者さんで、上記の質問事項を聞くことはほとんどないため、診察時間も短く済みます。
 また、転医や紹介患者さんで病歴が長い(治療している期間が長い)患者さんも紹介状が長くなることが多く、把握に時間がかかります。
 クリニックによっては、あらかじめweb問診で情報が収集され、電子カルテに転記されるものもあり、そのような場合は、時間の短縮になるとともに、パソコンの文字も読みやすくとても診察しやすいです。また、インフルエンザ検査希望などと記載されている場合もあり、検査の準備もあらかじめ出来るため時間短縮になります。

・当日診察してからの検査になることが多い
→タイムマネジメントとして、検査を先に行っていただくこともありますが、診察によって検査が当日追加になることもあります。
 再診患者さんでは、落ち着いていれば、診察前に検査になることも多いですが、初診患者さんの場合は状態が読めないために、その都度症状などを確認してから検査を追加することになって、時間がかかりがちです。
 診察する前に検査に回されることに不満を持つ方もいらっしゃると思います。医師が問診表を見て、明らかに必要な検査、例えば、インフルエンザ流行期に感冒症状の患者さんに対してインフルエンザ抗原検査をする。などは診察前に行うことが多いです。もし、検査前に医師の診察が希望であれば、受付で聞くことはできますが、少し待つことになると思います。

 以上です。他にも待ち時間が延びる要因はありますが、基本的には再診の時と同じです。

 初対面の患者さんだとそもそも診察にかかる時間が長いため、長くなりがちです。
 特に、初診外来と再診外来が一緒の外来はかなり待ってしまうと考えていいでしょう。予約時間が設けられていても、その予約時間がしっかりと守られることは少ないと思います。

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