生きる選択3
成田さんのかばんから、ビール・焼肉弁当・焼き鳥などたくさんの食べ物が出てきた。これは何ですか?と聞くとお前に関係ないだろうという。
正直、私が成田さんを何度も買ってくるなと言ったって色々な方法を使い買うだろう。だって、周りはサポートは出来るけど本人じゃないから最終決定権は本人にあるわけだ。
成田さんが食べなかったら僕に恩恵があるわけではない。
でも、成田さんの事を考えれば、絶対に辞めた方がいい。
みんなが支えてくれているのに…。報告をしないといけない。
洋子さんに報告。洋子さんは透析病院に連絡し「透析病院の人が患者の言いなりになって、買い物してるなんて言語道断です」と切り捨てた。
そして、洋子さんと成田さんはまた対峙する。
洋子「提案があります」
成田「なんや?」
洋子「食べる事は制限しない。だけどそうすると糖尿病が悪化してなくなる可能性が早くなる。それでもやる?」
成田「今は薬とか手術で」
洋子「でも、根本的には変わらない。だから好きなだけ食べて早く亡くなるか、若しくは治療して延命するかみたいな話。」
その通りだ…どちらに転ぶか…わからないけれど、洋子さんは目をしっかりと見て成田さんに問いかけていた。
成田「たべれるなら、食べれた方がいいわねぇ…」
これが本心だった。ただ洋子さんは「なら、私は自立のお手伝いをするからここから先の手助けは出来ない。マネージャー交代で良い?」と言った。本人は「それで構わない」と言い地元のケアマネジャーへ交代となった。
それから3ヶ月…成田さんは自室で亡くなった。
これが幸せだったかどうかは、成田さんしかわからない。
人に幸せってひとそれぞれで、誰かが決めれるものではない。だからこそね。自分に常に問いかけておく必要があるのかもしれない。
私もはっきりと意思を持って生きる事を教わりました。
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