仕事と恋とそのバランスと(麻生みことさんが好き)
いつも感謝、いちです。
私は漫画が大好きで、あんなにお手軽に安く家で心揺さぶられる体験ができる楽しい趣味はないんじゃないだろうかと思っています。
思えば、パワハラに負けて好きなものがよくわからなかった時も一番最初に「これは私にとってかけがえのないもの、大好き」と思い出せたのは漫画だった。
そんな私が大好きな漫画家さんの一人は麻生みことさんです。
「そこを何とか」「アレンとドラン」「路地恋花」がすごくすごく好きです。
1.路地恋花
路地恋花は、路地にある長屋に物を作る若い職人さんが切磋琢磨に一生懸命生きている話。
恋とタイトルにつくので勿論「恋」は必須なんだけど、恋愛漫画というよりは人が生きてると「恋」も含まれるよねと言った話が多いかも。
オムニバス形式なので1話ごとに主人公は変わります。
私は2巻の友禅の女の子の話がさらっとしていて、仕事としては報われてるけど、人生に欲しい物を一つ奪われていてすごく好き。
強かに師匠を転がして、最後片腕になって、そして師匠を失う女性。でも、彼女は最後きっと凄い名声を手にいれてる様に思える。
ここの人たちは勿論、幸せになれる人もいるんだけど全部は手にいれれない事も多くて、なかなかそれだけでは食べていけなかったり、きっと手にいれられたら人生が変わっていた「恋」には破れてしまったり、仕事と恋のバランスが本当に人によって違って、凄いどの話も読んでいて面白い。
2.そこをなんとか
そこをなんとかは新米弁護士らっこちゃんが、いろいろな依頼者の依頼を受けて一人前になっていく話。
好きな話は、シングルマザーで妊娠した女性が会社に不当解雇されてしまう話で、私はこの女性の生きざまに強く心が震えた。
人はたいがい社会の歯車にすぎなくて、会社にとってたいがいの人はいなくなっても回る様にできていて、それは仕方ないんだけど悲しい。
一生懸命仕事をやって、それはとるに足りない歯車であってもその人にとっては生きていく「誇り」で、体の一部であったりするから、切り捨てられたら涙が出てしまう。
人間は感情の生き物だから、正しい事がすべてじゃない。
共感してしまったら、それはもう応援したくなってしまう。
あと、兄弁の東海林先生が格好良くてくらっとしてしまうのも、私にとってこの漫画の推しポイントの一つ。
仕事ができる男というのは格好良い。
自覚はしてるけど、キザっぽくはなくて、心に傷を持ってるから誰にでも心を見せれるわけではないけれど、決してやさしくないわけではない東海林先生が私はとても魅力的な男の人だなーと思う。
赤星くんより、東海林先生派です。
3.アレンとドラン
アレンとドランはリンダさんの映画が大好きな大学生の学生生活を描いた恋物語。
大学生ゆえ擦れてないので変な男にひっかかる部分も含めてまるっと理解が出来てしまって、若いころの恋愛のアンテナに色々とひっかかる。
上手に恋愛できる人もいれば、人がさっぱりわからない人もいて私はすごくリンダさん共感できるんだよな。
リンダさんが恋している男は、そいつはやめとけという男なんだけど、さっぱり理解できないのにキラキラしたものに惹かれる感情は何だかとてもよくわかってしまうし、何ならそこにときめきもあるとは思う。
でも、私は安全パイな大学の教授が好きで、その教授もうまくいけばリンダさんの事おとせるな~と一瞬わかって、そんな事しないのがとても善良な大人ですごく格好良いと思う。
麻生さんの話はどれも恋と人生のバランスを上手に描いていて、全部うまくいく話ではなくて、そこにほろ苦さもあってすごくすごく共感できてしまう。
要領良い人は勿論いるんだけど、そういう人もどこかでうまくいってなかったりする。
それでも、その世界には優しい手があって、人生捨てたもんじゃないと思ってしまったりもする素敵な作品ばかりです。