【介護日記】#14 母のために選んだ道
私は53歳の男性です。私が介護を行ったのは、母が75歳から79歳までの時です。父は私が52歳の時に先立たれてから、20年以上も母は一人で生活を続けてきました。私たちは別の家に住んでいましたが、同じ市内だったので、母の日常生活についてはよく把握していました。
しかし、75歳になった母は次第に精神的に不安定になり、一人で生活を続けることが困難になりました。それからは母の日常生活の支援と、定期的な病院での診療の手配が私の主な役割となりました。母は3ヶ月に2回、精神病院に入院し、その都度、病状が改善することを願っていました。
しかし、母の状態は一向に改善せず、最終的には一人での生活が不可能になったため、私たちは苦渋の決断を下しました。老人ホームに母を入居させるという選択です。入居費用は大きな負担となりましたが、私たちは24時間母の面倒を見ることは現実的に不可能であると判断しました。
介護を経験して、私が感じた後悔と教訓を共有したいと思います。母が一人で生活を続けられなくなった時、医師は母が認知症ではないと診断しました。しかし、私たちはその診断が事実であるとは感じられませんでした。老人ホームへの入居を決めたことは、まるで母を見捨てているかのように感じ、心に深い傷を残しました。
しかし、一方で母の介護に専念すると、私自身の仕事ができなくなり、また娘の学費の支払いも困難になりました。この経験から、介護の問題は個々の努力だけでは解決できないと感じました。公的な支援がもっと必要だと思います。具体的には、介護に関するアドバイスや資金面での援助が必要です。公的なサポートがなければ、介護者と被介護者の両方が困難な状況に直面します。
母の状態が次第に悪化する中、私たちが何度も頭を悩ませたのは、適切な医療ケアと介護サービスをどのように手配するかでした。精神的な問題に対する理解が不十分であったため、認知症の診断を受け入れることができず、その結果、母の病状は悪化し続けました。
介護では、適切なケアを提供するためには多くのリソースと情報が必要です。そのため、介護者として重要なのは、自分が持つ知識と経験を信頼すること、そして適切な医療的判断を下すために専門家との協力関係を築くことです。
介護者としての私のアドバイスは、早めに介護サービスの利用を考え、可能な限りのリソースを活用することです。それが自分自身の健康と心の平和を保つための最善の方法です。また、介護者自身も、自己疲弊を避けるために、適切なケアと休息を必要とします。介護は困難な旅ですが、適切なリソースとサポートを活用すれば、その重荷は少しでも軽くなるでしょう。