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小出鞠るい「つい昨日のできごと 父の昭和スケッチブック」
ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
紹介した作品は販売します。気軽にお問い合わせください。
小出鞠るいの「つい昨日のできごと 父の昭和スケッチブック」を読みました。
私より学年で4つ上の小出鞠さん。
お父様が漫画家を目指したことのある方で、昭和の日常を漫画と言葉で書いてらっしゃるスケッチブックを読み、紹介し、ご自身の思いをつづったエッセイです。
同じことを経験していても3歳半違い、育った環境が違うとさまざま違う昭和が描かれていて興味深く読みました。
夫婦共働きだったけれど、、祖父母や叔母などに協力してもらって寂しい思いをせずに育ったと書かれています。
男だから、女だからと決めつけられることなく、ただ「勉強しろ」とだけはくどいほど言われて育ったと書かれています。
お父様の絵がかわいらしくて、とても素敵なのです。
自分の目で見て、感じたことが書き添えられていて、時代を彷彿とさせてくれます。
ああ、そうだったと自分の記憶を呼び覚ましながら読んでいきました。
アメリカ人のご主人を「少年G」と表現してあります。
日本に帰省した時、少年Gが「僕は岡山が大好きだけれど、いつ来ても、ここには魂がないと感じるなぁ」と言ったそうです。
小出鞠さんは驚いたけれど、アメリカが空襲で、古き良き町を徹底的に壊してしまったせいだったと気づきます。
私はこのエピソードを読んだ時、私の町松江は空襲など受けずに古い町がしっかり残ったのに、大手前通りを拡幅し、城下町の魂を自ら消してしまったことを思いました。
この思いは私個人の思いでしかなく、発展を考えてされた拡幅工事だったのでしょうが、だたっぴろい道を車で通るたび、私は違和感をぬぐえないのです。
今も県庁前に高いマンションができることを住民は反対しているのに、契約がしっかりしてあって、条例にも違反していないからと建設を強行しようとしています。市長は2度会いにいって、ダメと言われてすごすご帰ってきたとか?
経済ばかりが先行して、魂をなくすという行為が残念でなりません。市内のお城付近の開発は止められないのでしょうね。
せめて南側にある古代の遺跡はそのままにしてほしいなと思っています。
もう一つ。
戦犯の話。7人のA級戦犯の中の一人、広田弘毅という人は戦争を止めようとした人だったということをこの作品の中で初めて知りました。
城山三郎の「落日燃ゆ」に詳しくあると書いてあったので、次はこの作品を読もうと思います。
作品を読むことで、自分の周りのことに思いを馳せることができ、知らなかったこと、まだ読んでない作品を知ることができるのが私にとっての読書の楽しみ方。
もちろん小説だとストーリーが面白くて読みふけることもあります。寝られなくなって夜更かしすることも、、、
秋の夜長にこの作品を紐解くのをお勧めします。
ミニチュアちさと工房
松江市山代町425-7
駐車スペースは2台分
☎ 070-5678-5427
ryosyun4106@gmail.com
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