朽ちた木
ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
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今年に入ってすぐの頃。
いいお天気の時に庭のツツジを数株切りました。
木々がどんどん大きくなって、庭が手狭になってきたので、切りやすい背の低い木を切ることにしたのです。
ツツジは庭にかなりの数あります。
サツキも、キリシマも。お好きだったんでしょう。すべて切るのではなく間引く感じで切らせてもらいました。
中に、空洞になったまま、いかにも元気に見える枝がありました。
人ならあきらかに死んだ姿でしょう。
木はうろを持ったまま立っていました。
生きること、死ぬこと。
木の生死というのはどこに境界があるのだろうとふと思いました。
仏教の修行の果てに即身仏となるというのは人が意図して行うこと。
木はそんな思想などとは関係なく、寿命がつきて外側の固い皮だけが残り、中が空洞になってなお木の姿を保って立ち続けていたのです。
大きな木ではないから目にもつかず、ほかの枝に支えられていたかもしれません。
それにしても、潔いと言いたくなるほど、皮の中は空っぽ。
でも、きっと命はそばにあったほかの枝や幹に受け継がれていったのだろうと思います。
皮だけになった枝が若い幹を守っていた時もあったかもしれません。
人のように個の感情はなくとも、同じ種としてなにかを差し出し、命を繋いでいったのかもしれません。
循環という繋がりは意識するからできるというより、無意識だからこそできることかもしれないと思います。
個としての自分を投げ出して、次につなぐ。
人も命のバトンを繋いできたけれど、潔さに関しては木や植物に劣るのではないかと感じました。
一本のうろだけの木を見つけて、こんなことを考えたのでした。
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