小さなパーツが見つからない!久々のクレーム対応
ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
紹介した作品は販売します。気軽にお問い合わせください。
五段飾りのお雛様をおばあ様が息子さんのほうへお祝いとして贈られたのですが、五人囃子の太鼓がない!どこを探しても見つからない!という連絡をいただきました。
直径1cmほどの太鼓です。
完成した時の写真を確認したらちゃんとありました。
でも、お客様がないとおっしゃったら、ないのです。
高価なものや納得のいかないものについて、または言いがかりとしか思えない場合は事実確認をするべき時もあるかと思います。
今回の太鼓は接着したはずのものがないということですから、私の接着技術の問題が第一なのです。
そんなつもりでなくとも、接着したはずのものが取れてしまうことはたまにあります。異素材同志の接着の時は特に多いのです。
こういう時、ないはずはないなんてこっちが抗弁しても決着はつきません。
とにかく、謝ります。平謝りです。
顔から火が出るような恥ずかしさと情けなさを伴って謝ります。
そして、すぐに発送の準備にかかりました。
お詫びの品も送ります。4人目のお孫さんのお雛様のパーツでしたから、上のお嬢さんたちのも含めて4つのバラの花の鉢を大急ぎで作って同送しました。
これは急いでいて画像なしです。お雛様の着物の色が赤、薄いピンク、濃いピンク、黄色でしたので、この4色のバラを鉢に活け込みました。
そして、手書きの、お詫びの手紙を入れて発送しました。久しぶりの出来事にドキドキし、なんだかどっと疲れてしまいました。
外はまるで私の胸の内を知っているような吹き降りで、仕事をする元気がなくなってしまいました。処理は迅速にできましたが、自分のダメージは大きかったのです。
ところが、夜19時すぎになって箱から太鼓が出てきたという連絡が入りました。小さいものですから、隙間に入り込んでいたのでしょう。
送ってもらったのに、ごめんなさい。どうしましょう?と聞かれましたので、”出てきて安心しました。スペアとして保管してください”とお返事しました。お詫びの品については黙っていました。気を使わせてしまいますもんね。
小さなパーツが出て来ても知らん顔するという手もあったと思いますが、さすが私のお客様。きちんと報告して謝ってくださいました。
お互いの誠意が伝わるお試しになったようです。
接着の問題はありましたが、大きな不手際にはならず、4つのお雛様(取れた太鼓もつけていただいて)が並んだ画像を送っていただきました。
トップ画像にしました。
4姉妹のお雛様がそろいました。圧巻ですよね?自分の作ったものですが、このサイズでここまで作り込んだお雛様はほかにないと思います。
おばあ様がラッキーカラーなど教えてくださって制作したお雛様はそれぞれのお嬢さんに似合っているそうです。孫たちも大喜びですと教えてくださいました。
クレーム処理の対応についてもお試しがあり、私にできる最善を尽くして対応できてよかったです。
おかしな言いがかりでない時は、ただただ謝って代わりのパーツや作品を送らせていただきます。
お蔭様でおかしな言いがかりをされたことはありませんが、、、
お客様に誠意を見せることが一番大切。
こういう時は金額の多寡など考えてはいけません。
むしろ損して得取れです。
送った翌日、夜になって太鼓とお詫びの品が届いたという連絡がきました。
受け取られたお嫁さんからのメールを転送してくださいました。
お客様に申し訳ないと言っていただき、バラの花についてもちゃんと見て喜んでいただけたので、いい対応ができたなと思います。
問題が起こった時は作家の誠意の見せ所となりますね。
ミニチュアちさと工房
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