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『歌舞伎ナビ』 渡辺保 【うちの本棚】#歌舞伎

読書感想でなく、本棚にある歌舞伎関連書籍について、どんな本なのか記録しつつ紹介するものです。

基本情報

タイトル:歌舞伎ナビ
発行
(奥付の初版の年を記載):2003年
著者:渡辺保
出版:マガジンハウス

歌舞伎ナビ 表紙

特徴

能ナビ、歌舞伎ナビ、文楽ナビという3作シリーズのうちの一冊。

著者が50年かけて憶えた「歌舞伎の見方の秘伝」を分けてもらえる(らしい)本。

時代物、歌舞伎十八番、世話物、所作事に分かれている。
有名な演目について背景の解説、ほかに、著者でも時間をかけて「そうだったのか」に辿り着いた部分などが書かれている。

『勧進帳』で富樫はどうして追ってきて酒をふるまうのか? 
『髪結新三』は新三内の場で大家とやりあって終わり感が漂うが、そのあとの閻魔堂の場はどこを味わうのか? など、
上演の多い演目がチョイスされているのですぐに役立ちそうな本。

すべてモノクロだが、名優の写真も多くて、雑誌をめくるようにすいすいと読み進められる。

歌舞伎ナビ から。フォントも懐かしの雑誌のようで、楽しく読める

その他

表紙デザイン、挿絵ページのフォントが、わたしの勝手な印象だが昭和のアイドル雑誌とか子供向け雑誌ぽくて、可愛らしい。

写真に関しても、キャプションは「この写真を見てください」というのが多くて、歌舞伎を観る楽しさ喜びを伝えたい気持ちが溢れてくる。
わたしも、集めた舞台写真を眺めると、よくぞこの瞬間を撮ってくれたというものもあって、時間を忘れるから、その感覚はなんとなく分かる。

背表紙に描かれているのは、赤ベコなのか、トラなのか…(分からないのはわたしだけ?)。ともかく「著者 渡辺保」からイメージする、かっちりした歌舞伎の解説とは違う雰囲気、異色な本である。

シリーズ最初の「能ナビ」は、図書館で読んだのみで、入手できておらず。


シリーズのうち「文楽ナビ」を読んだときの感想(こちらは感想)です  ↓