良い子の正体
家族からも周りからも「反抗期のない良い子」「育てやすい子」といわれる子供たち。
実はそんな良い子の心はたくさんの感情を抑圧しています。
良い子とは個人の気質や資質ではありません。ましてや良い育て方をした結果でもありません。
その子を取りまく環境により出来上がった、親や大人にとって都合がいいだけの良い子です。本人のこころはとても深く傷ついている状態です。
小学校に上がるくらいまでの子どもは、はっきりとした善悪の区別や感情のコントロールが出来ません。
例えば、学校でお友達と喧嘩をしてしまって嫌な気分になったときに、お母さんに話しをしたら「そんなことがあったんだね」「辛かったね」と受け止め、そしてよしよししてもらいながら、しっかり話をきいてもらえることで、嫌だった気分は落ち着き、気分を変えることが出来ます。
このように【気分の調整】をその都度、何度も何度も繰り返ししてあげることで、子どもは何かあった時、自分で気分の調整ができるようになっていきます。
つまり子どもはお母さんから
【気分の調整の仕方】を学んでいるんです。
これは生きていく上でとても大切なことです。年齢を重ねるごとに嫌な出来事(ストレス)は欠かせなくなってきますが、そんな時いつでもお母さんがそばにいるわけではないですよね。自分でそのストレスに対して対処していかなくてはなりません。
しかし、反抗期のない良い子といわれる子供は、実はそれらの気分の調整の仕方が今ひとつわかりません。
幼少期に感情を受け止めてくれる人がいなかった場合、例えば、前述の例の時にお母さんにお話したら「お母さん今忙しいから・・・」「そんなことでいちいち泣かないで」「弱い子になっちゃうでしょう」「またいじめられるよ」といってしまうと、子どものその辛い感情は、大好きなお母さんを困らせないように「我慢」をします。
そしてそのような関係が続いていくと・・・
「我慢」して「がんばり」そして「自責」へ
と進んで行きます。
そうすれば丸く収まるという間違ったことを学んでしまうんです。
高校生あたりまではなんとか良くても、反抗期のない良い子の多くが、青年期(大学生)あたりから自己内省が強くなりネガティブな感情がグルグルしだして抜け出せなくなったり、苦しさで様々な症状が出始めることがあります。
我が子にそんな苦しみを与えないためにも、お母さんはたった一つ、どんなに忙しくてもいったん手を止めて、