水耕栽培とは?②根の表面で起きていること
前回の記事で土栽培(土耕栽培)について説明しました。
今回は水耕栽培を説明するために、植物の根の表面で起こっている状況を記事にしたいと思います。
根の表面で起こっている事
土耕栽培の根の表面
このように土耕栽培の根の表面では、水や栄養分の供給状態・欠乏状態を繰り返しています。
水や栄養分のあるところに根が伸びて吸収できるようにもなりますが、短時間で急激に根を伸ばす事はできませんので、概ね上記のような供給状態と欠乏状況が土耕栽培の根の表面では繰り返されています。
非流動型の水耕栽培の根の表面
では、非流動型の水耕栽培ではどうでしょう。
養液の中に根が浸かっていたり、ブクブクのエアーで養液内に酸素を供給するけれど、流れがない非流動型の水耕栽培では、土栽培での根の表面と同じような現象が起こっています。
水の中だからわざわざ流れを作らなくても拡散で動くと思われがちですが、拡散には時間がかかります。
熱いお風呂に入ってしばらくすると体の表面の温度は下がるのに、少し動くとまた熱くなるって経験ありますよね。
動きがなければ、すぐには拡散されない分かりやすい例です。
お風呂の肌の表面と、水耕栽培の根の表面と同じことが起こっていて、根の表面では根圏境界域という層ができるのです。
根の表面の酸素や養分を吸うと、時間をかけて拡散されるまでの間は酸素や養分の不足が発生しています。
流れを重視した水耕栽培の根の表面(ハイポニカ方式)
ハイポニカ栽培は水耕栽培の中でも養液の流れを重視した栽培方法です。
ポンプを使って常に養液の流れを作ることで、根の表面から水や栄養分を吸っても、またすぐに根の表面に水も栄養分も供給され続けます。
ハイポニカ栽培の生長の速さや旺盛さはこの養液の流れ、根の表面に常に流れがあり、水や栄養分が常に供給され続けることに秘密があります。
「そんなに違いが出るの?」
「流れがなくても時間をかければ拡散するし・・・」
そう思われる方は以下をご参照ください。
養液に動きがあるかどうかなんて、大きな違いじゃないように思われますが、根の表面に流れがあるかどうかは生育に大きな違いが出るのです。
まとめ
今回は根の表面でどんな状態になっているかについて説明しました。
ハイポニカ方式の循環型水耕栽培で何故あえて動きや流れを重視しているのかお分かりいただけたと思います。
次回はハイポニカ方式の循環型水耕栽培の特徴を説明いたします。
とまとん母さんのホームページにも水耕栽培情報満載です。
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