6/13、抗うつ薬
本日の実習では昨日に引き続き精神薬の一つの抗うつ薬について注目して学習した。
抗うつ薬とはうつ症状、不安症状、睡眠障害を改善するとされる薬剤である。作用機序として大まかに、うつ病と関係のある脳内の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといったモノアミンを増加させることでうつ症状を改善する。
分類としては三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬 (NaSSA)がある。三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬は、ノルアドレナリンやセロトニンの再取り込みを阻害し、これら神経伝達物質の働きを改善することで抗うつ作用を示す。三環系よりも四環系のほうが副作用の発言が少ない。SSRIはセロトニンだけを増やすように開発された抗うつ剤で、従来の抗うつ剤よりも副作用が少ないのが特徴である。セロトニン不足の関わる不安や落ち込みには優れた効果を発揮するが、意欲や気力に関わるノルアドレナリンにはほとんど作用しない。SNRIはセロトニンだけに働きかけるSSRIと異なり、ノルアドレナリンにも作用するため、気力や意欲の低下している患者さんにも効果がある。NaSSAはセロトニンとノルアドレナリンの分泌を促し、セロトニンが効率良く働けるように作用し、効果が強い。
本日の症例ではエチゾラムが朝夕の分2で、ミルタザピンが寝る前に処方されていた患者さんがいた。この患者さんではミルタザピンは食欲不良の改善のために処方されていた。