春のような温かさがいつもある学校に…頑張らないあなたも大好きだよ 〜心の宝物48
🌷安心感を基盤として
山に囲まれた小さな学校
小規模校でしたが、2年生は大所帯。それでも十数名でしたが、様々な個性が日々、ぶつかり合ったり、支え合ったり、それはそれは賑やかなクラスでした。
担任の先生は、児童の主体性と、個々のよさを徹して大切にされ、アクセルとブレーキを踏み分ける塩梅が絶妙。おかげで、互いの違いを受け入れ、よさを認め合う温かな学級風土ができていました。
児童は、安心できる環境に身を置くと、はつらつと、生き生きと、自ら様々なことに挑戦します。彼もそんな一人でした。
🌷自分のアクセルを全開に
この頃、彼は「なんでも頑張る」と心に決めて、自分で自分のアクセルを目いっぱい踏み込んでいました。最初にそう感じたのは、朝の下足箱でした。元気に、目を見て、先に。自分が考える理想の挨拶を、精一杯体現しています。運動会に向けた行進練習では、指先までピンと伸ばした腕を大きく振りながら、精一杯の声で号令をかけ、膝を高く上げて歩いています。
給食の時間には、牛乳パックの片付け方がばらついていたのに気づき、適切な方法を帰りの会で提案したことを担任の先生から伺いました。
🌷頑張らないあなたも大好きだよ
彼の意欲や熱意は周囲にも伝わっていました。その決意と行動への感動はぜひ伝えなければと思いました。
しかし一方で、緩やかにブレーキをかけてあげる必要も感じました。
彼の中で「なんでも頑張る」ことが目的になっているように感じたのです。
子供の「頑張る」は、ときに、「ありのままの自分への否定」と表裏一体です。人には頑張れないときもあること、そんな自分や他者を受け入れることは、怠けることでも、妥協することでもなく、大切なステップであることをぜひ伝えたいと願いました。
それをしないでほめることだけを続けると、いつか彼が、自分で自分の心のエンジンを焼き付かせてしまいかねません。もしそうなったら、それは、教育ではありません。
頑張った事実は大いに認めて、その思いを決して否定しないように。なんでも頑張らなくていいことが、2年生の彼の心に届くように。二人になる場面を見計らって、そっと伝えました。
よく頑張っているね。でも、頼むから頑張りすぎないでね。頑張らないときのあなたも、同じように大事なあなたなのだよ。だから、同じように大好きだよ。
にこっと笑ってくれた表情に、救われました。
かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。
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