春のような温かさがいつもある学校に…そんなにがんばると心配になるよ〜心の宝物17
🌷黒板が美しい緑色に
コロナ機の学校
この日も暑い日でした。全校の様子を見て歩くだけでも汗ばむような夏の午後の掃除の時間、2年生の教室の彼女の姿に目が止まりました。
黒板消しを両手でしっかりと握り、いっぱいに背伸びをして、届く限界の高さからチョーク受けまで、まっすぐに拭きおろしています。全身にこもっている力が、見事に真緑に変わる拭き跡から伝わります。
終えると、ほうきをやわらかく使い、細かなほこりを集める。机を運ぶ段になれば、投げ捨てるように(見えるほど機敏に)ほうきを脇に置き、まだ小さな体で、重い机をぐっと持ち上げ、丁寧に運び、下ろし、整える。
🌷あんまりがんばると心配になるよ
唇を引き結び、ひたすら取り組む姿に、何でそんなに一生懸命になれるのだろうと、戸惑いにも似た思いが湧きました。この状況で、自分が同じ2年生だったら、果たして同じようにできるだろうか、とてもできないと自問自答しました。
大丈夫かい、無理していないかい。敬意と心配をそっと伝えました。
思いを、あまり言葉や表情に出す方ではない彼女が、このときはにっこり笑って、温かいものを返してくれました。
🌷あなたの汗が 教えてくれたよ
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ」という言葉があります。「そんな人にあこがれます。そんな人になりたいです」という思いを込めて書かれた言葉です。
この日の彼女の姿を見て、全く同じ思いになりました。目の前のことに対して、自分のできる精一杯を選び取り、行動する。暑いほど、寒いほど、精いっぱいを選びとることは難しいです。だからこそ、精いっぱいの姿は、それを見る人の心に勇気を届けるんだね。そうして、次の人の精いっぱいを引き出して、勇気の輪を広げていくんだね。
あなたの姿から、あなたの汗から、学ぶことができたよ。ありがとう。
かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか ありのままで。
どうか 幸せで。