僕の運動神経を知りたい
僕は、今まで喘息とアトピーに悩まされ続けていた。
落ち着いてきても病院の先生からは「風邪をひかないように」と言われプールも禁止されていた。
だから泳げない。
いや、泳げるのかわからない。
でも、あっさりと鉄棒ができてしまった僕は、もしかしたらと思ってしまう。
見た目はチビで華奢だから絶対に浮くはずだ。
走っても早いに決まっている。
だけど、喘息の発作がでると苦しくて息ができなくなる。
あんな思いはできるだけしたくない。
ただ、どうしても知りたい。
僕の運動神経が!!
お兄ちゃんたちは抜群だ。
血は争えないはず。
僕は、今日もコロを連れて公園に向かった。
「おう、おさる!」
友達が二人いて何やらジャンプして木の葉っぱを触っていた。
「あぁ、何してるん?」
「どっちが高い葉っぱ触れるか」
「へぇ~」
僕は背がクラスでも学年でも1番低いから無理だ・・
「おさるって、この葉っぱ触れる?」
友達の一人が少し低めの葉っぱを指さした。
「う・・ん、どうかな」
一度躊躇したけど、やってみるか。
よっ・・・少しかすった。
「おっチビのくせにやるやん!」
「絶対、無理って思ってたけど意外にジャンプ力あるなぁ~」
へ?僕が・・?
驚いている僕の横で二人はコロの頭を撫でていた。
コロが嬉しそうにしている。
コロ、僕も嬉しい。
だけど、もっと、僕ができることが知りたくなった。
小さい時からずっと願っていた、お兄ちゃんを超えることも夢じゃないかも・・・
つづく
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