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筋力増強・筋肥大に低負荷トレーニングは不必要か?科学的知見をもとにしたレビュー

低負荷トレーニングvs高負荷トレーニング
これは古くから検証が行われている研究テーマです。

これまで数多くのメタ解析が実施されており、近年では具体的な向き不向きが分かりつつあります。ざっくりとですが、これまでの報告を要約すると

①筋肥大には総トレーニング量(負荷(kg)×反復回数×セット数×セッション数, TUT)が筋肥大には重要である。(総トレーニング量が一致していれば筋肥大効果は強度に依存しない可能性)

②筋力増強はトレーニング強度に依存する(高強度・高負荷ほど筋力は増強する)

ということが現在はスタンダードな知見として知られています。
ただ、科学は非常に面白く色々な発見や示唆があります。
今回は筋力増強・筋肥大にトレーニング負荷がどの様に複雑に影響しているのかを紐解いていきます。

まずは①に対する興味深い研究報告をご紹介します。

1)2018年にLaseviciusらによって報告された研究です。彼らは1RMの20%, 40%, 60%, 80%を用いて膝の伸展と肘の屈曲動作をそれぞれの負荷で週2回を12日間行い、トレーニング効果を検証しました。総トレーニング量は全ての条件で一致していました。全ての群で筋肥大と筋力増強が生じましたが、20%よりも80%の方が多くの筋力増強と筋肥大効果を得ることが出来ました。
この研究の特徴は単関節運動で実施され、幅広い負荷強度で検証されている所です。

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