ヒッピーの2つのタイプとは??
はじめに
2024年の年始からスタートしたビート文学、カウンターカルチャー探究の旅路。
雑誌スペクテイターで過去にヒッピーが特集されていた号といった観察者目線の情報をみてみたり、当事者が当時書かれた本を取り寄せてみたりしていっています。
今回はその中でも、雑誌「スペクテイター〈48号〉パソコンとヒッピー」に書かれていた内容から紹介したいと思います。
ヒッピー2つのタイプ?
まず、そもそものヒッピーの定義について、雑誌の中では『アメリカ俗語辞典』ユージン・E・ランディ原編、堀内克明訳編 一九七五年 研究社の定義が引用されていました。
この定義が紹介された上で、二つのタイプについて紹介されていました。いずれも「スペクテイター〈48号〉パソコンとヒッピー」からの引用です。
アメリカにおける2つのタイプ
(1)テクノロジー否定 = 「BACK TO THE LAND」型
(2)テクノロジー肯定 = 「技術決定論」型
※ここでいうジッピーとは能勢伊勢雄さんという方が使い始めた模様。
上記の分け方でいうと(1)に当てはまるのがカウンターカルチャーという波の始まりに位置するビート詩人のうち、日本人にも直接大きく影響を与えたゲーリー・スナイダー(1930年生まれ)が当てはまると思いますが、彼は暮らしという点で今でいうDIYのためのテクノロジーは多々活用されていたと思うので、個人的にはもっと違う分け方があるよなぁと思います。
雑誌の中では北山耕平さん(1949年生まれ)という作家から、ヒッピーの前に商業メディアで使われていたワードであるビート・ジェネレーションを「山に向かうタイプ」と「都市にとどまるタイプ」という2つの類型を編集部の方が教わったと書かれていました。
「山に向かうタイプ」は、テクノロジー否定=「BACK TO THE LAND」型と通ずるなと思いましたが、後者はウィリアム・S・バロウズ(1914年生まれ・故人)やアレン・ギンズバーグ(1926年生まれ・故人)といった方が当てはまり、ドラッグ・前衛アート・快楽などにこだわって生きるタイプと紹介されており、ここだけで捉えるとると(1)(2)のいずれにも当てはまるように思えないので、これらを含んだ極を見出し、4象限に整理できたら面白いなぁとも思いましたね。
日本における2つのタイプ
同じ文脈で日本における2つのタイプも紹介されていました。
→こちらは、ざっくり分類するならば”部族”立ち上げメンバーのうち、長沢哲夫さん(1941年生まれ)、山尾三省(1938年生まれ・故人)、山田塊也(1937年生まれ・故人)といった方々が当てはまりそうです。
※能勢さんという方は、インタビューされていた能勢伊勢雄さん(1947年生まれ)のことを指します。
※ジッピーという言葉について以下の話がありました。
こちらの雑誌では紹介されていませんでしたが、ここでいう元祖デジタル・ヒッピー的でいうと、1965年にかけて映画制作のためニューヨークに渡りカウンターカルチャーの風を直接体験していたおおえまさのりさん(1942年)が当てはまりそうに素人目では思えます。
このあたりはジッピーについてインタビュー記事ではもっと色々話が展開しているので、そこを読み込んだり、例として紹介されている月尾嘉男さん(1942年生まれ)、幸村真佐男さん(1943年生まれ)、松本俊夫さん(1932年生まれ・故人)、佐藤重臣さん(1932年生まれ・故人)といった方々の経歴などを調べてみることで解像度を高めたいと思いました。
さいごに
このあたりの相似と相違について理解を深めていくことで、キーワードとして浮かびながらもまだ掴みかねているデジタルエコシステミック(造語)という言葉についても何か理解が深まりそうな予感もしてきて楽しみなのでした。