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あの時、もしあっちを選んでいたら・・・!?【今度生まれたら/内館牧子】

じっくりと一気読みした本はこちら。



【今度生まれたら/内館牧子】




「あの時、もしあっちを選んでいたら・・・?」





この本を手にした時点で、私にもそんな気持ちがどこかにあったのかもしれないね。





「あの学校を選んでいたら・・・」




「あの仕事を選んでいたら・・・」




「あの人を選んでいたら・・・」







選択しなかった「あっち」の未来を妄想し、今と比べたりして・・・。




そんなことしても現実が変わるわけじゃないけど、「いやいや、こっちを選んだから今この幸せがあるんだし・・・!」なんて、誰に言うでもなく自分を納得させようとしたりして・・・。




この先、順調に年を重ねたとして、60代、70代・・・になった自分は、どんなことを考えるんだろう?





心は?




身体は?





実際に今、その年代を生き、実感している女性たちがどんなことを想うのか?



聡明な先輩たちが、経験を踏まえて、(時には綺麗ごとだけではなく)赤裸々に綴ってくださる作品が気になるお年頃です。






この本には、




70歳を迎えた主人公・夏江を中心に、




元エリートサラリーマンで2歳年上の夫/和幸




40代の二人の息子(既婚長男・結婚に興味のない次男)




「生まれ変わってもこの人と一緒になる!」と言える姉・信子と、その夫・芳彦




夏江の長男の妻で「夫(夏江の長男)を無視することしか楽しみがない」と姑に言い放つ理沙





・・・こんな顔ぶれが登場します。






夏江、和幸、二人の息子、姉の信子、その夫の芳彦、夏江の長男の妻の理沙・・・、もれなく全員に「・・・え!!!」と戸惑ったり驚いたりする展開がありますが、これは読んでいる私達の人生にもありうること。





(同じ出来事が起きるという意味じゃなくて、「まさか!」という出来事は多かれ少なかれあるよね、という意味)







人の数だけ人生劇場はあり、そんな一つ一つを同じように生きたり感じたりすることは不可能だけれど、




「自分はどんな覚悟を持って生きるのか?」




が見出だせたら、この本を読んだ価値が生まれるんじゃないかな。




「人生は先がわからないから、いいんです。なのに、中には絶望する人もいます。その一因として、自分にはこの先、何もない、今と同じ暮らしが延々と続くんだと自分で決めこむことがあるんです」
#今度生まれたら /#内館牧子



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