見出し画像

中学受験するかどうかは「のびのび」だけでは測れない〜リケジョな子育てVol.18〜

noteマガジン『東工大飛び級ママの「リケジョな子育て」』/第18号です。
このnoteマガジンは、発行人・福所しのぶが日経xwoman Terraceブログに投稿したオピニオンのうち、「子育て・教育(STEAM教育含む)」テーマのものをピックアップし、一部再編集してお届けしています。

今回は2023年4月9日の投稿から。元の投稿は、日経xwomanに掲載された記事『星友啓 中受回避のメリットは完全放任では生かせない』(下記リンク)を受けて、感じたことや気づきをシェアさせていただいたものです。
では、どうぞ!

※以下の本文中、「参照記事」とあるのは上記リンクの記事を指します。


中学受験をすることを選ぶ家庭、選ばない家庭、様々だと思います。

我が家は中学受験を念頭に子どもの勉強のサポートをしていますが、今回は受験しない選択をした場合に考えるべきことを紹介した、上記の参照記事が興味深かったので、筆をとりました。

何が興味深かったのかというと、「子どもにのびのび過ごさせてあげたい」というのが中学受験をしないと決める方の理由として多いという点です。

当たり前でしょうか?

でも、我が家が中学受験を選択した理由もまた、「子どもにのびのび過ごさせてあげたい」だったのです。

中学受験で膨大な時間を勉強に費やすのに、のびのび?
矛盾するように思われるかもしれませんね。

私自身は、父が転勤の多い仕事だったこともあって中学までは公立校を転々とし、受験は高校から。当時は中学受験も今ほどには過熱していませんでしたし、中3になるまで地方か外国かという暮らしでしたので、小学校高学年の段階では中学受験をしない選択の方が主流な環境ではありました。

その選択自体は今から後悔するようなことではないのですが、大学受験は短い準備期間で焦った覚えがあるのです。

大学受験を意識して準備をはじめたのは、高校生活をしばらく満喫して落ち着いたころから。ですが、高校の3年間は短い。受験までのカウントダウンはすぐにきてしまいました。

塾では中高一貫校の方とも一緒になることがあり、のびのびと余裕をもって受験勉強に臨んでいるような雰囲気を感じました。

一方で、高校受験組は「私達は大学受験の準備期間が短いから現役合格できなくても無理はないよね…しょうがない、しょうがない」的な雰囲気になることもあり、経済的理由もあって現役合格を目指していた私は大きいプレッシャーを感じたものです。

ちなみに、この「しょうがない、しょうがない」は、心理学用語でいう自己達成予言として働いてしまうと、潜在的には能力があっても「しょうがない」の方が実現してしまう可能性があるので、要注意です。

だから、我が家の「子どもにのびのび過ごさせてあげたい」は、自分の将来の仕事や専門性を深く考えるティーンの時期に、自分が納得いく選択と準備ができるようにしてあげたい、という思いなのです。

中学受験する/しない、には必ずしも正解はありません。

であれば、選んだ道が最善であると信じることが必要ですよね。選んだ道が勝手に正解になるわけではありません。

選んだ道を正解にするためには何をすればいいのか、を考えてみると、「選んだ道を正解にする」という言葉を口にする方からは、選んだ道をなにがなんでも正解にしてやろうという気迫すら感じることに行き当たります。

そして、その気迫はどこから来るのかというと「納得の上でこれを選んだ」という前提があるように思うのです。

ですので、家庭ごとに納得のいく理由をはっきりさせることは大切だと思います。「のびのび」ひとつとっても、人によってこれだけ意味合いが変わってしまうのですから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?