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第13話 氏真

親子って難しいですね
生まれて最初に接する他人は親とも言われています。
親の影響って純粋な人ほど良い悪いではなく、顕著に出るのでしょうね。

今川義元「そなたに将としての才はない。」
これだけを親に言われたと思い込んでいたとするなら、
氏真は、やってきたこと全てを否定されたような気がしてしまうと
思います。

しかし、今川義元が本当に言いたかったことは、
糸から全て13話になってから、やっと伝わりました。

糸「そなたに将の才はない。己を期待上げることを惜しまぬものは、
     いずれ必ず天武の才ある者をしのぐ。
     そして、才を秘めたる家康殿と手を取り合い、
     今川を益々栄えさせる姿が目に浮かぶようだと・・・」
今川義元「あれに天武の才はない。それは、明白じゃ。
     じゃが、余は知っておるぞ。あれが夜明けから夜半まで、
     武芸に学問に誰よりも励んであることを。
     あの気持ちを持ち続けるならば、大丈夫じゃろう。
     己を鍛え上げることを惜しまぬものは、いずれ必ず、
     天武の才ある者を凌ぐ。きっと、良い将になろう。
     家臣にも恵まれておる。特に次郎三郎は大きく化けると
     余は見ておる。目に浮かぶようじゃ、5年10年先
     氏真と次郎三郎が手を取りおうてこの両国を
     栄えさせていくさまがなぁ~。楽しみじゃな。」

この言葉が伝えられた氏真は、かなり嬉しくなり
ホッとしたのではないでしょうか?
糸の言う通り、義元本人から氏真に伝わっていたら・・・
とも思うかもしれませんが、きっと義元から言われても
同じだったように思います。

さて、今回は義元の言葉に交流分析を当てたいと思います。
基本的なことですが、義元は息子氏真が存在していることは
認めているので「あれ」とは氏真を指した言い方であり、
「あなたがそこにいることを知っていますよ」が言葉に隠されていると、
お考え下さい。
もし、存在を認めていないとするならば「話しかけない」
「見ることもしない」「ないものとして扱う」と言った感じになります。

そして「あなたがそこにいることを知っていますよ」を相手に知らせる
行動を交流分析では「ストローク」と言います。
ストロークには、種類があり簡単に見分けることが出来ます。
否定的&肯定的
精神的&身体的
条件付き&無条件
これらが組み合わさり分析することが可能です。

今回は、会話のみのやりとりなので精神的ストロークのみとなります。

身体的ストロークは体に接触した時に使います。
「ハイタッチする」「赤ちゃんに頬ずりをして」
「頭を殴った」「腕をつねった」などを言います。

さて、ここからは精神的ストロークが前提として
「あれに天武の才はない。それは、明白じゃ。」
これは、否定的精神的ストローク
ただし、自分の子どもである氏真のことを義元は糸に話しているので、
親しみを込めて「あれ」と言っています。
大事な我が子なのだけど「天武の才」がないだけなので、
否定的精神的条件付きストロークとなります。

つまり、人に注意をする時は条件付きにすれば、
その人は「そこさえ、気を付ければよい」ということになります。

でも、「天武の才」は、そう簡単に身につくものではありません。
今川義元も我が子と言えど暇人ではありません。
氏真は「余は知っておるぞ。あれが夜明けから夜半まで、
     武芸に学問に誰よりも励んであることを。」
励んでいるからこそ、耳が痛いことものびしろがあることも伝え、
「あの気持ちを持ち続けるならば、大丈夫じゃろう。」と
氏真の普段の行いを認め、条件付きだけれども信じているそして
その結果「天武の才ある者を凌ぐ。きっと、良い将になろう。」と
糸に語っています。

今回お伝えしたかったことは「否定的」という言葉だけで、
相手を傷つけるわけではなく、不愉快にさせるわけではないのです。
使い方になります。

ただし、否定的身体的&精神的無条件ストロークは人を無意味に
傷つけます。
例えば「突然、にらまれて舌打ちをされた」は、
否定的精神的無条件ストロークとして受け取られます。
また、「突然、知らない人に殴られた」は、
否定的身体的(精神的)無条件ストロークとなります。
ストロークを出した側は「何か理由があり」刺激を出したのでしょうが、
受け取る側は「何もしていないのに・・・」となり、
ショックを受けてしまいます。

否定的なストロークの使い方は気を付けないといけませんし、
ストロークは受け取り手が決めます。
親子も刺激と反応がちょっとひねくれてしまうものかもしれませんね。



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