第40話 君を置きて
道長「不実の罪は必ず己に帰ってまいります故」
君が言うか?
知らないふりなのか、知らないのか・・・
己の所業は忘れて「今、目の前の危機」で手一杯感が
感じ取れる冒頭だったように思います
一条天皇が譲位を決め、東宮に敦成親王となることが決まり、
中宮彰子の元に報告に行くと、道長ビックリ!彰子がキレた!
彰子「何故私に一言もなく、次の東宮を敦成とお決めになりましたのか?」
道長「帝の仰せにございます」
彰子「病でお気持ちが弱っておいでの帝を父上が追い詰めたのですね」
道長「帝のお考えと申しております」
彰子「信じられぬ。帝は敦康さまを次の東宮にと私にも仰せであった!
お心が変わるはずがない」
道長「お怒りのわけがわかりません。
敦成さまは、中宮様の第一の皇子であられますぞ」
彰子「まだ四歳の敦成を今、東宮にせずとも敦成にはその先が必ずあります
それに、私は敦成の母でもありますが、敦康さまの母でもあるのです
敦康をご元服の日までお育て申し上げたのは私です
二人の皇子の母である私になんの相談もなく、次なる東宮を
敦成とお決めになることは、とんでもなき事!
父上はどこまで私を軽んじておいでなのですか!
帝にお考えを変えて頂きます」
道長「政を行うは私であり、中宮さまではございません」
道長が本当に彰子が怒った理由がわからなかったかどうかは、
わかりませんが、彰子が怒った理由は、
「自分の存在を軽んじた」と感じたことです
本来なら、二人の皇子の母親であり中宮なのだから、
東宮を決める渦中にいると信じていたのでしょう
ところが、その立場を父親から奪われたように感じたのです
交流分析から考えると値引き(ディスカウント)にあたると
思います
値引き(ディスカウント)は、「自分、他人、状況」を過小評価して
問題解決から遠ざかるものです
道長は、孫を東宮にすることに一生懸命で当然、娘の彰子も
同じ気持ちだと思い込み報告をしてしまい、
彰子の怒りに触れてしまったのです
道長は、彰子を一人の大人として扱っていなかったことが
よくわかる場面でした
冒頭に道長は
「不実の罪は必ず己に帰ってまいります故」と言っています
道長は、政のことを言ったのか、まひろのことを言ったのか、
自分の家族のことを言っっているのか、敦康へのけん制で言ったのか
わかりませんが、一つの楽しみが増えたように感じました
さて、一条天皇が崩御しました
個人的に、大河ドラマの中で1番美しい天皇を演じて
くださったと思います
天皇らしさと言いますか、神々しさも含めて塩野 瑛久さんには、
感謝しかないように感じます
退場ではありますが、また、歴史系を演じていただきたいと
強く思います