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第26話 悲しむ前に

「これは、何ですか」
「さあ?なんでしょう」
第1話の時の頼朝と政子のやりとりです
三谷幸喜氏は、繰り返すセリフをここぞとばかりに使われる方なのですね
個人的に発想が素晴らくて感服してしまいます

こっそり、ここだけの話は広がっていくことも良くわかるかいではありましたが「人の秘密は蜜の味」と聞きますが「人の口に戸は立てられぬ」ですね

今日、取り上げたいのは義時
義時は、基本的に平和主義の事なかれ主義で野心がない
奥州を混乱に招き義経を追い詰めた時の義時は、
相手を操る、腹黒いイメージもありましたが、
(ここは推測)鎌倉での安泰な八重との生活と、混乱を招く嫌な役回りを
天秤にかけて、八重との生活を選んだのではないかと感じます

今回も、波風が立つことはわかっているから少しでも大きな波にならないように、根回しをして回っています
特に、義時の人柄が出ていると感じられる場面が、

北条時政と妻りくが、阿野全成を次の鎌倉殿へと説得している中、
穏便に誰もが納得できるような手段で道筋を立て、頼家に鎌倉殿を
継がせる方法を探っている義時は、まず、お偉方に相談しています

大江広元・二階堂行政・中原親能・三善康信にこっそりと、
義時:「教えてください。若君に跡で頂く前に、まずどのようにすれ    
    ば・・・」とお伺いを立てています
これ、非常に大事なことだと思うのですよ

どんなに偉い人であっても、不得手なものがあってもおかしくないのです
だからといって、そこから逃げ続けると言うわけではありません
チャレンジしたことがあるから不得手と気がついたということですよね
気がつけば対処する方法も考えることが出来ます

また、わからないことをわからないと然るべきところに、
相談する・訊く・お伺いする
これも、どんな偉い人でもおかしくないことだと思うのですよ
わからないことをわからないまま、進めてしまうことが大きな問題を
引き起こすと考えられるのですよ

若気の至りと言えば、そこまでですが頼家が対照的かと思います
頼家は、狩りから帰ってきて昏睡状態の頼朝を見て義時とのやりとりで、
頼家:「あれは、助からぬ。このこと誰が知っている?」
義時:「極少数に留めておりましたがすでに噂は広がり始めてるようです」
頼家:「こういったことは、隠しきれるものではない。
    いっそのこと公にしてしまえ。」
義時:「いえ、朝廷への文書が完成するまで・・・」
頼家:「わしが、後を継ぐことは決まっておるのだから、
    隠すこともなかろう。御家人たちを集めて
    何が起きたのか知らしめよ」
その言葉を受けて、御家人を集め足立遠元が事の経緯を説明した

当然、御家人の中で混乱が起きる
頼家がめんどくさいことになるよりは、鎌倉内の混乱の方が
納めやすいと義時は天秤にかけたのだろう

頼家は自主的に考えて自分の意見を伝えたことに間違えはないし
今後、鎌倉を背負って生きていく覚悟もあることも理解できる
なので、そこを間違えたとは言えないが、一足飛びしてしまった感がある

何が違うのだろう?と悩んだ時に肩書?役割?への
プライドではないかと思います

義時は、良い意味で平和へのプライドがあり
問題を解決するために「何をしたら良いか?」を考え行動した

頼家は、2代目鎌倉殿を背負っていくことにプライドがあり
問題を解決するために「力を使った」

とは言え、頼家は2代目鎌倉殿として育てられてきたのだからしょうがない
幼い頃からの「鎌倉殿の嫡男」の自覚を持たされながら、
それが当たり前と育ってきているのだから、
そのことしか考えていなかったのかもしれない
(こっそり:女グセは?と思っちゃいましたが・・・割愛)

頼家は背負っていくことに自信がありませんと政子に言っていたが、実は梶原景時の入れ知恵だったりするので、プライドを守ってくれる人の意見は訊くのよね
ちょっと質が悪い・・・

プライドとは、その人が大事にしている価値観でもあります

自分の優越性・能力が正当に評価されることを求める気持(文中より抜粋)
価値観が崩されることを人は恐怖や不安を感じます
その時、その人がどのような行動を取るのか?
その行動を見て人は人の評価をするのかもしれませんね

元訪問介護をしていた個人的な意見ですが、
ある程度の年になったらプライドを無くして個人の楽しみに
変えた方がいいのではないのかな?と思います

    
   


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ライフリメイクタナカ
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