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完熟トマティーヨの衝撃

8月頭に蓼科で、トマティーヨという野菜に出会った。メキシコ原産のトマティーヨは、トマトの小さいの、みたいな意味だと思うが、実は食用ほおずきの一種らしい。
直売所のワゴンには、蓼科のレストランによる、トマティーヨについてのポップがあって、そこには未熟だと酸味が豊かで、完熟になると甘くなり、状態にあわせていろいろな料理に使っているとあった。

買ってきてすぐは、確かに酸味が強くて、柑橘のかわりにサラダにいれたり、セビーチェのように、生魚とあわせたりが、直売所のポップのメニューを参考にタコスのサルサにしてみたりしていた。ただ、使っているうちに、なんというか、青臭さから転じた生臭さみたいなのを感じてしまって、最後の1個に手をつけられないまま、1ヶ月経った。

今朝、冷蔵庫の中のサラダ用の食材が地物の小さなパプリカと玉ねぎしかなくて、仕方なくトマティーヨを、手にとった。まあ、また生臭く感じたらあきらめようと思ったけれど、スライスして、ひとかけら食べてみてびっくり。酸味は全くなく、甘みと旨みがある。確かにトマトという言葉を入れたくなるのもわかる。韓国唐辛子の青いのを刻んで、酢橘を絞って、オリーブオイルと塩をかけて、サラダにする。

恋人がひとくち食べて「え!これ何入ってるの?うまい!」と声を上げる。肉と一緒に煮込まれた野菜の味がする、と。ポテチとかに使われている調味料みたいな味(例えが悪いが、まあ旨み系調味料ということだろう)、とも。そう、ちょっと動物性タンパク質系の旨みなのだ。野菜に含まれる味には思えない。そう考えると、未熟なものの生臭く感じたことともつながるような気がする。何が入っているんだろう。世界にはまだまだ食べたことのない野菜がある。トマティーヨ、またどこかで見つけたら絶対買う。

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